準富裕層以下なら不動産投資はやめた方がいい3つの理由

不動産投資は準富裕層レベルがするものではない
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2023年6月7日投資不動産

最近不動産投資が話題になっていて,不動産投資でお金持ちを目指すというメッセージをよく見るようになりました.

利回り5%で毎月の家賃収入が8万円,なんて聞いたら確かに反応したくなる気持ちもわかります.

私も不動産投資は魅力的だと思うしいつかは挑戦したいと思っていますが,不動産投資は準富裕層レベルの私が手を出すものではなく,まだ時期尚早だと思っています.

この記事ではなぜ準富裕層レベルでの不動産投資が難しいか,3つの理由で説明します.

準富裕層レベルが不動産投資をやるべきではない理由

不動産投資は準富裕層レベルがやる投資ではない理由
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理由1 そもそも因果関係が逆だから

不動産投資でお金持ちを目指す,鉄板の謳い文句ですが,私は因果関係が逆だと思っています.

つまり,不動産投資でお金持ちになったのではなく,お金持ちだから不動産投資ができるということです.

2, 300万円の築古戸建てを買う不動産投資もありますが,安定した投資収益を狙うなら数千万円の投資が必要ですし,リフォーム費用も数百万円かかります.

リフォーム費用を節約するためにDIYしている不動産投資家もいますが,自分でプロ並みの改修ができるならいいものの,素人レベルのリフォームした家を貸しに出すという意識はビジネスとして論外で,そんな意識で不動産投資をしていたら早晩詰むのは目に見えています.

不動産投資は株式投資などに比べてお金の桁が2つくらい違い,準富裕層レベルでは自己資金で不動産投資の資金を賄うのは無理です.

レバレッジを推奨する本や不動産Youtuberも多いですが,これも因果が全く逆で,融資を受ければ不動産投資で成功できるわけありませんし,もし融資を受けて,コケて返済ができなくなっても彼らは何も責任を取ってくれません.

自己資金での株式投資なら最悪の場合でも資金がゼロになるだけなので,またゼロから始めることができます.

しかし,不動産は保有しているだけでコストがかりますし,融資を受けて最悪自己破産の可能性もあり,資産の少ない投資家が因果関係を勘違いして不動産投資に手を出すと後戻りができなくなるかもしれません.

理由2 アセットアロケーションが不動産に偏るから

まずはB/S(貸借対照表)の左側,資産の部から考えます.

不動産投資は富裕層が「株や債券などの無形資産だけでなく,実物資産への投資も必要だ」という分散投資の一環として行うものであって,資産の少ない人がやってもアセットアロケーションが不動産に偏るだけです.

アセットアロケーションが不動産に偏る

富裕層はマネーリテラシーが高い人が多いので,資産のほとんどを現金で持つなんてことはしません.

よって,富裕層のB/Sは左のようなイメージで,現金,株,債券,金・銀・プラチナ(貴金属)など様々なアセットで構成されていて,ここに分散投資のために不動産を組み込むのは戦略として大いにありだと思います.

一方で資産が少ない人が不動産投資をすると右のB/Sのように資産の部に不動産が集中して,アセットアロケーションの観点からするとバランスが悪すぎます.

理由3 B/Sが脆弱になるから

今度はB/Sの右側,負債と自己資本の部から考えてみます.

まずお金持ちは資産に余裕があるので,仮に不動産投資をする時に融資を受けたとしても,さっきのイメージ図のようにローンと自己資金のバランスを保つことが出来ます

しかし,お金がない人が不動産投資をすると,資産が少ないので融資に頼らざるを得なくなり,B/Sの右側の大部分がローンを占めるようになります.

負債が多いということはちょっとした変化があるとそれに耐えられずに崩れてしまう脆弱な財政状態で,ちょっと歯車が逆回転するとそれだけで詰む可能性があります.

ちなみに,マイホーム購入は不動産投資そのものですが,おそらく多くの家のB/Sが右側のようになっているんだろうなと思っています.

ちなみに我が家のB/Sは下のとおり100%自己資金,おかげでお金について頭を悩ますことはほとんどありません.

まとめ 不動産投資は準富裕層以下がやるものではない

不動産投資は投資額が大きいので,利回り5%で毎月の家賃収入が8万円,と金額メインでアピールされると魅力的です.

しかし,金額に目を奪われずに利回りで見れば,今はドル建てMMFでも税引前で4%半ばの利回りが狙えるので,不動産投資のリスクとリターンを天秤にかけたら,少なくとも準富裕層レベルの私なら外貨建てMMFで十分かなとなります.

不動産投資はせめて資産が億近くになってから取り組むもので,2,000万円とか3000万円,まして数百万円の資産規模の投資家が手を出すべきではないと思っています.


では,また.

Posted by Econ