一流投資家がやらないことは個人投資家もやらない方がいい
先日の記事で紹介した"Richer, Wiser, Happier: How the World’s Greatest Investors Win in Markets and Life"を読み終わりました.
『一流投資家が人生で一番大切にしていること』というタイトルでつい最近邦訳本も出版されています.
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Kindle版で300ページ近くある本でしたがとてもいい本で,通勤時間や空き時間に読んでいたら2週間くらいで読み終えました.
投資だけでなく人生について一流投資家はどんなことを考え,何を実践しているのか触れることができ,とても気付きの多い本でした.
今日はこの本から学んで,やらない/やめると決めたことを書いてみます.
中には元々やらないと決めていたものもありますが,この本を読んでより思いが強くなったものもあるので,そこら辺の思いを書いてみます.
ローン(借金)を背負わない,レバレッジをかけない
これは以前から心に決めていたことですが,この本を読んでより一層その思いが強くなりました.
バフェット,マンガーを始め,一流投資家は総じてローンやレバレッジ投資に否定的です.
その理由は,ローンやレバレッジはマーケットに留まる力を著しく弱めるからです.
ローンを背負って投資をしている投資家は,下落局面になると投資資産が減って自分の借金を返せないという壊滅的状況避けるために,ローンを追っていない投資家よりも売りを迫られます.
レバレッジ投資ではマージンコールを受けた時に追加証拠金が払えなければロスカットで強制的に市場から退場をくらいます.
投資はできるだけ長くマーケットに留まって複利の最大化を競うゲームだと私は認識していますが,ローンやレバレッジでマーケットに留まる力が弱い投資家ではレジリエンスがなくなり,それが投資パフォーマンスの悪化にもつながります.
この本を読んでより一層,ローンを組まずに自己資金で投資をしていく決心が固くなりました.
フルインベストメントしない(手元に現金を残しておく)
- 現金はインフレ対抗力がゼロ
- インフレ下では銀行預金に置いておくだけでどんどん購買力が落ちていく
それを受けて手許現金をほとんど残さず,資産の全てをフルインベストメントしている投資家もいるようです.
たしかに現金がインフレ下で弱いアセットクラスなのはその通りですが,だからといって手元資金を確保せずフルインベストメントは悪手で,常にある程度の手元流動性は残しておくべきです.
理由はこれもローンでの投資とかぶるのですが,手元資金がないと脆弱性が増すからです.
手元流動性がないと,下落局面で売りを迫られることになります.
本当はこのタイミングで売りたくないと思っていても,日々の支払いに影響が出るほうが問題が大きいので,投資を売却してそれを支払いにあてるしか方法がありません.
しかし,手元流動性が確保されていれば,その場はしっかり確保した現金で凌ぎ,上昇に転じるまで待つこともできます.
一般的な日本人の資産の60%が銀行預金というのは論外ですが,フルインベストメントも投資の柔軟性が減って脆弱性が増すので,資産規模が拡大しても10%の現預金比率は常に維持するのが私のアセット・アロケーション計画です.
SNSを見ない
一流投資家は他の人の意見に過度に影響されません.
これは,他人の意見を聞かないとは違い,むしろ一流投資家は自分の考えに反証となるような事実,自分のバイアスを正してくれる視野を広げてくれる意見はどんどん探して取り入れています.
自分の軸を持っていて,その軸をブラさなためにも必要以上に他の人の意見に影響を受けないということです.
そして,影響を受けないためには他の人が何を考えたり,何を言っているのかそもそも知らないのが一番です.
だから私はSNSを見ません.
はっきり言って,投資や資産運用というトピックに関して言えばSNSは低品質な情報の掃き溜めです.
Twitterに株クラという言葉がありますが,流れている情報は収入や資産のマウント合戦,投資パフォーマンスの自慢,情報商材の勧誘などなど,はっきり言ってノイズ以外の何物でもありません.
あくまで私の場合ですがTwitterの情報で役に立ったもの,まして実践したものなど全くありませんので,SNSを見なくても投資には全く影響がありません.
フェイクかもしれない情報でマウントを取っているのに嫉妬や焦りで心が乱されることを考えたら,むしろプラスですね.
不平不満を言わない
世の中,確かに腹立たしいことは多いです,多すぎます.
特に政治の話題では5秒に1回くらいネガティブワードが出てきます.
でも政治が悪い,税金が高すぎるなど,アンコントローラブルなものに文句を言っているだけでは何も良くなりません.
であれば,生産的なことを考え,自分でコントロールできるものに働きかけて,ほんの僅かでもいいので状況を良くするようなアクションを取っていきたいです.
- いつまでにどれだけの資産を築きたいのか,そしてそれはなぜか
- 目標を達成したら,それで何をしたいのか
- 少しでも早く目標に到達するために必要なアクションは何か
こういうポジティブなことを考えるほうが,文句を言っているよりずっと楽しいですし,モチベーションも湧いてきます.
辛いこと,大変なことの中にも,いい側面を見つけ出すポジティブ思考は常に持っていたいですね.
まとめ
“Richer, Wiser, Happier: How the World’s Greatest Investors Win in Markets and Life"(『一流投資家が人生で一番大切にしていること』)を読んで,やめようと思ったことを4つにまとめました.
この記事ではやめることにフォーカスしましたが,実践したい考え方などここに書いた以外にもたくさんの気付きがありました.
投資よりも,一流投資家の人生観について書かれている本で,なぜ彼らの人生が充実しているのか,その一端に触れることができる本,とてもおすすめです.
では,また.
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