13年の長期投資でP&Gがもたらしてくれたもの

13年の長期投資でP&Gがもたらしてくれたもの
Image by Simon Wilkes from Unsplash

2022年2月4日米国株P&G (PG)

※ 2023年1月11日にリライト

新NISAが始まり,これから10年20年と長期投資で資産を築こうという人も多いと思います.

先日の記事ではポートフォリオレベルでのパフォーマンスから資産が将来どのように成長していくかについて書きましたが,今回は個別株投資にフォーカスして,私が投資を始めた頃から保有している最古参がどれだけのリターンをもたらしてくれたかを掘り下げました.

ポートフォリオで見ると,勝った・負けたを均した状態になるため個々の実態が分かりにくくなりますが,個別に見ると色々な観点からパフォーマンス分析ができるので,長期投資がどれだけのリターンをもたらすかをより詳しく見れます.

もちろん全ての長期投資がこのようなリターンを産むわけではなく,更に上を行くものもあれば,そこまで届かないものもありますが,一つの参考になれば幸いです.

この記事のポイント

想定読者

  • 投資初心者で,長期投資がもたらすリターンのイメージを描けていない方

ポイント

  • P&G株を13年間保有中,13年間のリターンは314%で4.14倍に成長,年平均リターンは約9.2%
  • 既に配当だけで投資の半分を回収済みで,1929年の世界恐慌レベルの下げが来ない限りロスは出ない
  • 景気による影響を受けにくい安定したビジネス.大化けする可能性は低いが,大コケする恐れも低く,今後も引き続き保有

P&Gの13年間累計パフォーマンス

2011年の初めに米国株投資を開始して,最初に買った株はP&Gです.

私が米国株投資を始めた時は今よりも投資コストがずっと高く,例えば最低手数料は25ドル,今ならドルコスト平均で1株ずつ積み増せますが,当時はそういう戦術は無理でした.

なので,私がP&Gを買った時は数十万円を一括投資したのですが,当時は資産規模も小さかったのでP&Gだけで全資産・・・に占める割合が10%くらいになり,いくらP&Gがディフェンシブ銘柄で価格変動が小さいと言えども結構ビビって保有していたのですが,約13年の長期ガチホを経て大きなリターンをもたらしてくれています.

2024年1月11日現在,P&Gの配当と含み益を合わせたトータルパフォーマンスは314%,100万円の投資なら314万円のリターンで現在の価格は414万円という状況になっており,年平均リターンで言うと約9.2%になります.

P&Gと言えば1956年から67年連続増配の配当王ですが,私が保有し始めた時の年間配当が2.12ドルで,それが今では3.65ドルと1.7倍以上に育ち,おかげで配当だけで既に投資の約半分を回収済みで,今後も増配が続けばあと10年以内には配当だけで投資を回収できるかもしれません.

配当で既に投資の半分を回収しているので,安全域は十分に確保できていますし,かつ私がP&Gを買った2011年はドル円が80円を切る円高だったので,円ベースで見ると超リーズナブルに仕入れができた時期で,今日(2024年1月11日)のP&Gの終値は149.94ドルですが,仮にドル円を140円で計算すると株価が21.2ドルに下がるまではロスは出ないという算段です.

149.94ドルから21.2ドルというと-85.8%で,世界恐慌の時の株価の下落率が約90%なので,そのレベルの下落が来ない限り,P&Gへの投資でロスが出ることはないという計算になります,もちろん,そんなレベルの下落は来てほしくないですが…

今後のP&G投資

13年で314%のリターン,つまり4.14倍に成長してキラ星のごとく輝くP&Gですが,投資を始めた時から持っている銘柄で思い入れがあるというのもありますが,今のところ売却する気は全くありません.

過去のパフォーマンスが将来のパフォーマンスを約束するなんてことはありませんが,引き続きガチホですし,おそらく私の中ではP&Gは永久保有銘柄だと思います.

また,安定性にも非常に優れていて,日本で展開しているブランドだけでも,

  • 洗濯:アリエール,ボールド,ダウニー,レノア
  • 炊事・掃除:ジョイ,ファブリーズ
  • 子育て:パンパース
  • 風呂:パンテーン,h&s
  • スキンケア:ブラウン,ジレット,SK-II

とP&Gは消費者の生活に溶け込んでいて,どれも日常使いするものなので,P&Gブランドの持つ安心感や信頼感から,競合ブランドがP&Gの牙城を崩すのは簡単ではありません.

また日常使いするものなので,景気による需要増減を受けにくいビジネスで,安定的に売上が立つことも期待できます.

大化けする可能性は低いですが,既に投資の半分を配当で回収できているので,大化けする必要はなく,それよりもディフェンシブ銘柄で大コケする恐れが少ないという点が魅力です.

これからも長く保有し続ける銘柄なので,定期的にP&Gのパフォーマンスをアップデートしてレポートしていきたいと思いますし,それを通じて長期投資の力を感じて下されば嬉しいです.


では,また.

Posted by Econ