FIREにとって最大の敵と攻略法
私はFIREを目指す人を応援しています.
FIREを目指す人が計画に絶対に織り込まなければいけないもの,それもできれば厳しめに,それはインフレ率です.
急激なインフレが世界的に問題になっていますが,インフレはFIREを目指す人にとって最大の敵です.
そして,歴史的にもインフレはこれからも続くと考えるのが自然です.
レイ・ダリオは経済の歴史を相当遡って研究していますが,彼はインフレの歴史をもって"Cash is trash"という名言を残しています.
この記事ではインフレがどれだけ破壊的な威力を持つか,そしてそれに対抗していくにはどうすればいいかを書いてみます.
インフレと購買力
インフレがどれだけFIREに影響を与えるか,1ヶ月のストック収入が30万円の家計の購買力が,インフレが進むとどうなるかをシュミレーションします.
子どもが独立している夫婦なら,1ヶ月に30万円あればゆとりを持って暮らせますが,インフレはどう影響するでしょうか.
間360万円のストック収入の購買力がどうなるか,インフレ率1%から5%のケースで示したのが上のグラフです.
結構な勢いで購買力が減っていますね.
1%のケースでも10年後には約10%減って326万円となり,30年後26%も落ちて266万円です.
360万円ならFIREするけど,266万円だと不安だな,という人は多いでしょう.
日銀が目指す2%のインフレ率では,30年後には購買力が45%も減価して196万円,5%の30年後には77万円と約80%も減価します.
77万円のストック収入でFIREしたい,なんて嫁さんに言ったら,きっとブチ切れられて終わりでしょう.
FIREでインフレの味方となるもの
あぁ,FIREなんて夢のまた夢と諦めを感じるかもしれません.
確かに20, 30代の若いうちにFIREすると,平均寿命を考えると残りの人生が50年以上あるので,インフレ率の想定が甘いと長期的に苦労します.
しかし50代でFIREとか,少なくとも60歳以降は働かないというプランならインフレと戦えます(60歳以降働かないというのはもはやFIREではないですが,残念ながら今の日本の状況を考えると,60歳以降働かなくていいというのは恵まれています).
インフレと戦う強い味方が米国株の配当王です.
配当王は50年以上にわたって増配しているだけでなく,増配率でもインフレとしっかり戦ってくれています.
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例えば,配当王の上位で米国株投資家にも人気のP&G(PG), Johnson & Johnson(JNJ), Coca-Cola(KO), 3M(MMM)の4社をみてみます.
上の表は1990年から2020年までの30年間の配当状況です.
税引き後の年間平均増配率は一番低いMMMでも4.5%あり,JNJは7.2%もあります.
これだけの増配率を長期的に確保できればインフレとも戦えます.
PGとJNJは私も10年以上保有していますが,配当はこの10年で倍ちかくに育っています.
今は全額配当を再投資に振り向けていますが,私がFIREしていたらこれは大事な生活費になっているはずです.
まとめ
インフレがFIREに与える影響はかなり大きいです.
しかし,インフレを転嫁できるブランド力のある米国企業をメインにストック収入を組めばインフレと戦っていけそうです.
株価だけにとらわれず,その企業のブランドや配当政策なども見ておくと,将来的にサポートしてくれる銘柄に育つかもしれませんね.
では,また.
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