【比較】分散投資と集中投資 個人投資家は分散一択
分散投資 vs 集中投資.
賃貸 vs マイホームと同様に神学論争の体をなしています.
マイホーム論争はその人の経済状況や家に何を求めるのか等,条件が千差万別なので全員に当てはまる正解はありません.
分散投資論争もそれと同じで人によって違うのだから正解はないと思われていますが,私は個人投資家なら基本的に分散投資一択だと思っていて,この記事では,そう考える理由と分散投資の効果を最大化するための戦略をまとめました.
個人投資家には分散投資の理由
第一に,プロと個人投資家の情報の非対称性です.
個人投資家の扱う情報は質・量とも機関投資家やプロには到底及びません.
個人投資家でも手に入る情報はプロにはほぼ無価値ですが,逆にプロは個人投資家がアクセスできない情報を投資判断に使えます.
第二に,圧倒的な分析能力の差です.
プロは,一点目に挙げた圧倒的に高品質かつ大量の情報を,個人投資家では使えないような分析ツールや分析手法を駆使してチームで分析します.
個人投資家が財務諸表やアニュアルレポートをいくら綿密に読み込んでも勝負になりません.
このように,個人投資家は質・量ともプロより圧倒的に劣る情報で,これまた圧倒的に弱い分析力で投資をしなければならず,この環境で個人投資家が勝つのは至難の業です.
そして,この環境で集中投資を行えば,当然ながら個人投資家が負けるオッズは高まります.
バフェットと分散投資
バフェットが分散投資否定派だと知っている人からは反論もあるでしょう.
しかし,私もバフェット信者の一人ですが,バフェットが分散投資を否定できるのは,バフェットだからだからこそだと思っています.
どういうことか.
それは彼のチームがプロ中のプロ集団ということです.
彼の投資チームには個人投資家とは質・量とも比較にならない情報が集まり,それを世界トップレベルの精鋭が分析し,圧倒的な資金力で投資をします.
もう,個人投資家とは最初から次元が違う世界です.
この違いを考えずに,バフェットが分散投資を否定しているから自分も集中投資というのは無謀です.
それに,バフェットは口では分散投資を否定していますが,結果的に彼のポートフォリオは十分に分散されていて,理想的な分散投資になっています.
上の表はバフェットから株主への手紙 2020で報告された彼の保有銘柄ですが,これを見れば,生活必需品,一般消費財,IT,金融,エネルギー,ヘルスケア…と十分に分散されていることが分かります.
確かに,個々の投資では大量資金を一括で入れる集中投資になっていても,長い年月をかけて様々な企業に投資をしてきているので,結果的に時間も銘柄も分散され,理想的な分散投資になっています.
個人投資家がプロに勝る点
それは,投資期間を自分の好きなように取れるということです.
これは情報の非対称性と低い分析能力という個人投資家の弱点を補って余りあるメリットです.
なぜなら,投資の最重要ファクターである時間を味方にして複利効果を得られるからです.
個人投資家にはプロと違ってパフォーマンスをうるさく言ってくる顧客もいないので,自己資金で投資をしている限り,売り時の決定権は自分にあります.
であれば,分散投資によって一発退場のリスクを減らし,細く長くマーケットに参加し続けて複利効果を最大化することが個人投資家には最善だと信じています.
時間こそ個人投資家に与えられた最高の武器であり,これを分散投資で砥いでやる.
バフェットも言うように,すぐにお金持ちになるのは難しいですが,長い時間をかけてお金持ちになるのは,そんなに難しくないんだと,最近思います.
それでは,また.
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