クレクレ精神が日本が貧しくなった原因だと思う

クレクレ精神が日本が貧しくなった原因だと思う
Image by Jordan Opel from Unsplash

経済

「主要国の給料は上がっているのに,日本の給料だけは30年間ずっと上がっていない……」

私がランニング中に聴いているポッドキャスト"The Ramsey Show"の中に,ホストのDave Ramseyに対するお悩み相談コーナーがあり,その中でリスナーに対して給料を聞く場面があるのですが,アメリカ人の回答が軒並み10万ドルを超えていて,それを聞く度に「あぁ,日本って本当に貧乏になってしまったんだな…」と感じています.

「日本の給料が上がらないのは政治が悪いからだ!」

という主張はよく聞きますし,劣悪な政治が日本の経済を悪くしているのは事実です.

でも原因はそれだけではなく,日本が貧乏になった最大の原因は「日本人の心が貧困化した」からだと思っています.

そして,「心の貧困化」から一番遠いところにいるのが一流の投資家で,彼らの考え方や行動からは学ぶべきことが沢山あります.

  • 日本が貧しくなったのは心の貧困化が原因
  • 心の貧困化:クレクレ精神の蔓延と向上心の欠如
  • 一流投資家は豊かな心を持っていて,心の貧困化から最も遠いところにいる
  • 豊かな心:不平不満を言わない,責任を受け入れる,他人の善意を頼らない,学び続ける,節度ある生活を保

もらえて当然というクレクレ精神の蔓延

もらえて当然というクレクレ精神の蔓延
Image by truthseeker08 from Pixabay

電気・ガス料金の補助金は9月使用分(10月検針日まで)で終了し,ガソリン価格への補助金も9月末で終了予定ですが,これに対して

「ガソリン価格の高騰は死活問題!」「政府は補助金を延長すべし!」

という声があります.

私もマイカーを持っているので補助金が延長されたらそりゃ嬉しいですが,補助金を延長しても抜本的な解決にはならないですし,結局後に増税として返ってくるのは明確なので私は延長をしないほうがいいと思っています.

「これ以上ガソリン価格が上がると生活ができない!政府は国民の生活を守るべき!」と,補助金を受け取るのは当然の権利かの如く主張する人に対しては,厳しいですが「そういうクレクレ精神だからあなたの生活は厳しいんでしょ」と思っています.

確かに,ガソリン価格180円代のパネルを見て「ガソリン高くなったなー」と私も思いますし,これが200円ともなれば見た目のインパクトは結構なものです.

しかし,仮に年間10,000kmを燃費15km/lで乗っているとすると,年間のガソリン消費は約470リットルで,150円から200円へ50円値上がりしたとすると年間で23,500円の負担増です.

負担増は事実ですが,月にして約2,000円,知恵を絞って自助努力で何とかできる範囲だと思いますし,「補助金の延長!」と叫ぶ前にまずは防衛策を講じるべきです.

ガソリンではないですが,私はこれからも電気代は高騰するだろうと思い,その防衛策としてJackeryのポータブル充電器とソーラーパネルを買って,太陽光発電で蓄電した電気をスマホやPCの充電などに使って少しでも電気代を減らす策を取っています.

関連記事

他にも,コロナ禍でなされたいわゆる「ゼロゼロ融資」に対する返済ができずに倒産する企業が増えているというニュースがあります.

もちろん,一生懸命経営をしている企業に対しては手を差し伸べるべきですが,「もらえるものはもらっておこう」というクレクレ精神で融資を受けて結局倒産した企業も相当数あると思っています.

コロナの蔓延よりもクレクレ精神の蔓延,日本人の心の貧困化のほうがよほど問題です.

「他の人にやってもらって当たり前」という根性の前に,知恵を絞って自分で何とかしようとする努力すべきですし,そうでないといつか詰む日が来ます.

Thou shalt not depend on the kindness of strangers.

汝,他人の善意を頼るなかれ

“Richer, Wiser, Happier"

日本人はもはや全然勤勉ではない

日本人はもはや全然勤勉ではない
Image by Sam Solomon from Unsplash

昔は「日本人は勤勉だ」と言われていましたが,日本人はもはや全然勤勉ではありません.

電車に乗ればみんなスマホ,本を読んでいる人は圧倒的に少数です.

かくいう私も通勤電車ではKindleを読んでいるのですが,ついスマホをいじってしまうことがあり,全然偉そうなことは言えません.

私も含めて,日本人には学ぶ意欲や向上心が欠けてしまっている気がしますし,それが日本の国際競争力を低下させ,ひいては30年ずっと横ばいで上がらない給料という結果になっているんだろうと思います.

先の「クレクレ精神」もそうですが,なんか老人の愚痴みたいになってしまって大変申し訳無ありません.

しかし,こういう心の貧困化が日本を貧しくしている原因だと思っています.

一流投資家の豊かな心

一流投資家の豊かな心
Image by Austin Distel from Unsplash

心の貧困化から最も遠く離れたところにいるのがウォーレン・バフェットやチャーリー・マンガー,ハワード・マークスやジョン・テンプルトンなどの一流投資家で,具体的には彼らに共通するマインドには次のようなものがあります.

  • 不平不満を言わず,常に生産的なことを考える
  • 結果は全て自分の責任だと受け入れる
  • 他人の善意に依存しない
  • 学び続ける
  • 節度ある生活を保つ

一流投資家のマインドからは本当にたくさんのことが学べます.

不平不満を言わず,常に生産的なことを考える

一流の投資家は,政治や制度に不満があってもいつまでも不平不満を並べ立てるのではなく,どうすればそれを乗り越えられるか,現状を改善するにはどうすればいいかを考えます.

「国が悪い,政治が悪い,会社が悪い,上司が悪い…」と愚痴をこぼしていても何も変わりません.

この姿勢を見習って,私もいつも前向きなことを考えたいと思います.

結果は全て自分の責任だと受け入れる

そして,一流の投資家は自分が決断したことに責任を負います.

「うまく行けば自分の実力,失敗したら周りが悪い」という考えはありません.

自分が下した決断に痛みが伴うことを知っているので,どうすれば最高の結果を得られる確率が最も高くなるかを綿密に計算し,しかし迅速に決断します.

他人の善意に依存しない

一流の投資家は他人を当てにしていません.

これは他人を信用していないというネガティブな意味ではなく,自分のことは自分でするというポジティブな意味であり,そのため一流投資家は銀行の善意を頼ってローンを組むことはないですし,マーケットの善意に依存してレバレッジ取引をすることもありません.

他人が手を引いても自分で進み続けることができるように,いつも自分で航路をコントロールしています.

学び続ける

一流投資家は,人生は不確実の連続だとDNAレベルで理解していて,不確実に対処していくためには学び続ける必要があると感じています.

そのため,「ここまでやれば大丈夫」とか「私はこの件についてはプロフェッショナルなので,もう学ぶことはない」と思うことは全くなく,「自分はいつも実力不足だ」という想いから常に謙虚に学び続けています.

バフェットはすでに90歳を超えていますが,いまだに一日に何時間も部屋に閉じこもって,本はもちろん,企業のアニュアルレポートや信頼しているメディアの記事を読み漁っているそうです.

数十分の通勤電車の中でも,Kindleを読みながらついついスマホに手が伸びてしまう私は猛省が必要ですね.

節度ある生活を保つ

バフェットが35,000ドルで買ったオマハの家に未だに住み続けているのは有名ですが,何十億ドルという膨大な資産を有し,その気になればお金を湯水の如く使って贅を尽くすことができるにも関わらず,一流投資家は節度ある生活を保っています.

お金が入ったからと有頂天にならずに,これまでと同じ生活を淡々と続けています.

奢り,マウンティング,自己顕示というのは一流投資家から最も遠い行動です.

まとめ

一流投資家は豊かな心があるから経済的成功を収めたのか,それとも経済的成功を収めて余裕があるから心のゆとりがあるのか,その因果関係はわかりませんが,私は前者だと思っています.

経済的成功につながるかは別にして,日本人として豊かな心を持ち続けて,豊かな人生を送りたいと思っています.


では,また.

Posted by Econ