投資の本と学習逓減効果

2018年11月15日投資

投資や資産運用で成功するには継続した勉強が必要で,一番身近な勉強は読書です.それでは,投資や資産運用の本を読めば読むほど知識が積み上がってより良いパフォーマンスが出るのか,と言うとそうでもありません.

下の図のように,最初のうちは学べば学ぶだけ学習効果が大きく出ますが,段々と学習効果として出る量が鈍くなります.よく言う学習の逓減効果です.

私の経験上,投資に関する本を10冊程度読むと,新しい本を読んでも「この部分,他の本でも書かれていたな」ということが増えてきて,新しい知識が増えにくくなります.

これから投資の本を読んで勉強しようとしている人,やり直そうとしている人は,良書とされている本をまずは5冊から10冊程度読んでみる,というのがいいと思います.それくらい読めば投資に関する一通りの知識は身につきますので,あとは実践です.

読書は実践することが一番大切です.本に書かれていることを実践して,自分の習慣にできて初めて,その本を読んだ意味があった,と言えると私は考えています.偉そうに書いていますが,これは私も完全には実行出来ていません.本に書いてあった内容を理解しても,それを行動に落とし込めているかというと,そうでないものが沢山あります.

だから,自戒の念も込めて,もう一度,書きます.読書は実践がキモです.

また,これは勉強法や投資の本などのいわゆるハウツー本によくあることなのですが,例えば投資の本を読むと,「この本に書かれている通りにすれば投資で損をするなんてことはない」と成功が約束されたような錯覚に陥ります.本を読んだだけでは資産が増えたわけでもないし,配当が増えたわけでもないのに,妙に楽観的になります.

当たり前ですが,投資をしていく上で,損失を出さないということはまずありえません.投資で損失を出さない,というのは野球選手が一度も三振しない,というようなものです.そんなこと不可能です.

打率三割で一流選手になれるんです.投資だって,全ての取引で利益を上げなくたって,十分豊かになれます.投資では,再起不能になるような損失を出さないこと,損失にめげずに長期間継続していくこと,この2つが大切だと思います.

Get rich slowly.

ゆっくり豊かになりましょう.

Posted by Econ