10年超の長期投資でも損切りはまだ1回の理由とメリット
「投資には損切りが必要」とか「損切りできない投資家は3流」と言われますし,私も投資のパフォーマンスを維持するためには損切りは必要だと考えています.
しかし一方で,私は今年で投資歴14年目ですが,その中で自分の意志で損切りしたのは1つだけ,投資期間を考えると少ないと思います.
傷口を広げないためにも損切りが必要な場面は出てきますが,「あの時損切りをしなくてよかった」というケースもたくさんあって,この記事では
- なぜ損切りの数が少ないのか
- 損切りを思い留まるメリット
- 損切りに慎重になるべき時はどんな時か
について私の経験を書いてみました,参考になれば幸いです.
投資経験10年以上で,なぜ損切りを1つで抑えられたか
個別株・ETF・投資信託ひっくるめて,これまでに約60銘柄に投資をしてきましたが,その中で私が損切りをしたのはSPXS(S&P500 3倍ベア ETF)の1つだけです.
これは,当時のS&P500が割高だと判断してリスクヘッジのために買ったもので,目的は間違っていなかったのですが,レバレッジ,しかもベア・レバレッジを長期保有という致命的なミスを犯し,一番ヒドい時はマイナス90%まで落ち,しかも分配金も出ないのでもはやトントンに持っていくのは不可能と判断して,勉強代だと割り切って最終的にはマイナス60%で損切りしました.
それ以外では投資基準が合わなくなった銘柄は利確などもしてきましたが,一度買った銘柄は基本はガチホ,一度掴んだら離さざるはすっぽんの如しです.
ホールドしていると言うよりも,むしろ一体化しているという方が正しいかもしれません.
ここまで損切りの数を少なくやってこられたのは
- 常に手元資金に余裕を持たしているから
- 投資への期待がそもそもそんなに高くないから
だと思っています.
まず資金については,私は最低でも総資産の10%は現金で確保というルールを決めていて,かつ家計簿を使って毎月の家計を黒字化する体質になっているので,投資で多少マイナスになっても資金繰りには困らず,売りを迫られることがありません.
また,そもそも投資への期待がそんなに高くなく,具体的には
「年間5%くらいのリターンを生み出してくれればOK,マイナスリターンの年もそりゃあ,あるよね.マイナスは配当で長期的に取り返せばいいかな」
くらいのノリでいるので,多少のマイナスなら基本的には様子見,そのうちに配当でのリターンが積み重なって,安全域が拡大したことで損切りの必要が解消していた,というケースが多いです.
損切りは傷口を広げないために有効ですが,当たり前ながら損失を確定させるので,その後値上がりする可能性もなくなってしまいますが,保有し続けていれば回収するチャンスも来るかもしれません.
配当を受け取りつつ安全域を拡大させて損切りラインを引き下げていく,というのが一番期待値が高いかなと実感しています.
損切りに慎重になる時
私が損切りに慎重になるのは
- 恒常的な業績悪化と判断できない
- 業績は悪化していても,財務の健全性が保たれていて無配・減配のリスクが小さい
時です.
人間や動物なら体調が悪いとか,気分が乗らない時があるのは当然ですが,企業は生き物と言われるように,企業もノッている時もあればダメダメな時もあります.
数年続けて業績が右肩下がりならともかく,直近でマイナスになった位ならすぐに投資を手仕舞うことは基本的にせず,モニタリングを続けます.
しかしその企業の財務が健全なのが条件です.
なぜなら,財務が健全なら多少業績が悪い時期があっても乗り越えられる可能性は高いですし,無配・減配のリスクも高くないので時間をかければ配当で回収できる見込みも高くなるからです.
逆に言えば,この基準を満たさない企業なら損切りしますし,そもそも財務が健全でない企業にはどんなに業績が良くても投資をしません,好調な時は1兆円を超える純利益を出すが,逆も然り,かつ有利子負債が10兆円を超えている,なんて企業は対象外です.
以上,損切りに対するスタンスについて書いてみましたが,投資に対して高い期待を持ちすぎないこと,かつ配当がキーです.
長く投資を続けているば損切りが必要な場面は出てくるでしょうし,投資を始める前に損切り基準を決めておくのもとても大切になってきますが,少し下がったくらいで焦って感情的に損切りしてしまうのも早計です.
投資とはストーリーで動くべきではなく,原則で動くべきである
詠み人知らず
では,また.
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コメント一覧
今回も勉強になりました。
ありがとうございました。
こちらこそ,いつもありがとうございます.