長期投資はリターンを上げるのか
「長期投資は本当に投資のリターンを上げるのか?」
「長期投資は報われると言うけど,このまま投資をしていて本当に大丈夫か?」
最近の米国株の下落で,そんな不安を感じる人も多いと思います.
私も10年以上米国株投資を続けていますが,最近の下落相場で不安になる時はやはりあります.
しかし投資データを見ると,それでも長期投資に希望ありという結論に至りましたので,この記事でレポートします.
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私のポートフォリオでは
- 投資期間とリターンは概ね正の相関が見られる
- 投資期間が短いものはリターンが低いものが多い
- 投資期間が長いものでリターンがネガティブなものはない
保有期間とリターンの関係
上のプロット図は私が保有する銘柄をリターンと投資期間でプロットしたもので,オレンジのエリアが投資期間とリターンに相関があるエリアです.
これを見て気づくのは
- 投資期間とリターンは概ね正の相関が見られる(相関係数ρ=0.728)
- 投資期間が短いものはリターンが低いものが多い
- 投資期間が長いものでリターンがネガティブなものはない
ということです.
私は自分の銘柄選択センスのなさに絶望することもしばしばですが,そんな私でもこの結果が得られているというのは心強いですね.
なぜ投資期間が長いとリターンが高くなるのでしょうか?
長期投資では配当はセーフティネット
お察しの人も多いと思いますが,長期投資では配当がセーフティネットとなりリターンを高めてくれる,というのが結論です.
上の棒グラフは私の保有銘柄の中で保有期間の長い4銘柄の税引前配当利回りです.
銘柄 (ティッカーシンボル) | 保有期間(年) | 配当利回りの変化 |
---|---|---|
P&G (PG) | 11.6 | 3.3% → 5.7% |
ジョンソン・エンド・ジョンソン (JNJ) | 11.6 | 1.9% → 4.0% |
コカ・コーラ (KO) | 8.5 | 3.0% → 4.3% |
NIKE (NKE) | 5.6 | 1.3% → 2.3% |
PGとJNJは投資期間が10年以上ですが,それに伴なって配当利回りが投資当初からほぼ2倍になっています.
KOは投資期間がまだ8.5年ですが4%を超えてきました.
NKEは配当狙いの銘柄ではないですが,投資をした頃の配当性向が低くて配当に伸びしろがあったため,5年ちょっとで配当利回りが2倍近くになっています.
このように,配当利回りが上がれば,仮にキャピタル・ゲインが目減ったり,キャピタル・ロスに陥っても配当がセーフティネットの役割を果たしてパフォーマンスを底上げしてくれます.
しかも,上に挙げたPG, JNJ, KOもそうですが,配当王銘柄のように年々増配が期待できる銘柄なら,保有期間が長くなるほど配当によるセーフティネットはどんどん拡大していきます.
まとめ
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私のポートフォリオでは
- 投資期間とリターンは概ね正の相関が見られる
- 投資期間が短いものはリターンが低いものが多い
- 投資期間が長いものでリターンがネガティブなものはない
でした.
最近の状況を考えると「このまま投資を続けていてもいいのだろうか?」とどうしても不安になってしまいますが,私は数字を信じて投資を続けます.
では,また.
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