投資のキモは待つにあり 待てる投資家になるための準備【心理面】

2025年1月26日投資投資哲学

投資でいいパフォーマンスを出すには待てる投資家になること,約15年の投資経験から私はこの考えに至りました.

待つ,簡単そうに聞こえますが,投資ではこれが言うは易く行うは難しだと感じていて,待てる投資家になるにはそれに向けた環境作りが大切で,それには

  1. 心理面
  2. 経済面

の2つを整えることが大事になってきます.

まずはこの記事では,心理面の環境を整えるのに必要なアクションをまとめていますが,経済面が気になる方は,後編の『投資のキモは待つにあり 待てる投資家になるための準備【経済面】』も併せて読んでくださると幸いです.

去年からの新NISAでデビューした投資家さんは,待つことを迫られた局面はあまりないかもしれませんが,投資経験を積むにつれて,そのようなフェーズが出てきますので,これから長期で投資に向き合う人の参考になれば幸いです.

偉大な投資家に学ぶ

待てる投資家マインドを育てるにはバフェットの投資哲学を学ぶのが一番です.

バフェットの投資哲学を紹介した本は沢山あるので,そこからアンテナにかかった本を読むのもいいですし,もっといいのはバークシャー・ハサウェイが毎年発行してる『株主への手紙』を原文で読み,バフェットの投資哲学に触れることです.

『株主への手紙』は投資哲学のエッセンスが絶妙なメタファーで表現された,まさに名言の宝庫で,もちろん,投資において待つことの大切さも説いていて,次の一節は有名です.

ストライクゾーンぎりぎりの3球を見逃したってアウトにはならない.

『株主への手紙 1997年』

また,バフェット以外の長期投資家の本もおすすめで,たとえばチャールズ・エリスの『敗者のゲーム』でも待つこと,つまり長期投資の大切さがわかりやすく説明されています.

投資における待つことの大切さを理解して,それを行動に落とし込む,つまり自分の投資哲学に昇華する,という段階に至るには時間はかかりますが,ここに辿り着けば株価が多少下がっただけで狼狽売りをするというもったいないケースはだいぶ少なくなると思います.

待つことで功を奏したケース 3M

ここでは,待つことで功を奏した私の投資をご紹介します.

Google Financeデータから作成

私は2021年に3Mを何回かに分けて購入し,最終的な平均購入単価が約149ドルでした.

その後しばらくは株価が堅調でしたが,コロナによる景気後退懸念で,景気動向の影響を受けやすい3Mは2021年の半ばから株価が下がり続け,2023年末の最安期には70ドル近くまで落ち込み,購入単価の半分になってしまいました.

おそらく,こうなる前にどこかで泣く泣く損切りをするのが普通だと思いますが,3Mは配当王銘柄だったこと,また決算で利益が出ているのを確認していたので,「キャピタルゲインは狙えないかもしれないけど,配当で長期で取り返せばいいや」と気楽に構えることができました.

その後,3Mの収益は回復して,この記事を書いている2025年1月26日時点では株価は約150ドルまで回復,株価ではトントン,これまでの配当を加えたらプラスに転じました.

結果論と言われればそうですが,ディズニーやキヤノンなど,待つことでパフォーマンスを取り戻した銘柄を他にも経験しているので,待つことで最悪期を耐え抜くのは効果的な戦略です.

ただし注意点があって,損失が出ても焦って売らずに待つというのは,再起不能なものを持ち続けるのとは違います.

決算結果などから今後の回復を見通すのが難しいと判断した場合は,早い段階で損切りが大切で,こういうのを塩漬けにしておくとカビが生えて来て最終的には全て捨てざるを得なくなります.


以上,待てる投資家になるための心理編でした,次の記事で経済編をまとめますので合わせて読んでくださると幸いです.

Posted by Econ