金投資は冬の時代が続く

金投資は冬の時代が続く
Image by StockSnap from Pixabay

2023年3月11日投資金(Gold)

資産運用のメインは株式投資なのですが,リスクヘッジの一環で貴金属投資をしていて,金投資は10年以上続けていて,3年くらい前からプラチナ投資,去年から銀投資も始めて少しずつ貴金属投資の幅を広げてきました.

最近は暖かくなってきて春の訪れを感じますが,貴金属投資はしばらく冬の時代が続きそうだなーと思っていて,今日はその理由と,今後貴金属投資をどうやっていこうかについて書いてみました.

  • 米国ではすぐに利下げに転じるストーリーは考えにくく,しばらく金利が高い状態が続く
  • 金利のつかない貴金属は,金利が高い環境では投資の旨味がない
  • 日本の金融緩和継続で円安となり,円建て価格は下がらずにお買い得時期でもない

FRBによる金利上昇圧力

先日もパウエル議長が上院議会の公聴会でインフレ抑制に向けて「まだまだ利上げ行くぜ!」なんて言うものだから,マーケットは次のFOMCで50ベーシスポイント(0.5%)の利上げを織り込み始めてますし,ターミナルレートも,当初想定されていた5%で考えている人なんてほとんどおらず,5%後半から6%がコンセンサスではないでしょうか.

とまぁ,こんな感じで米国の利上げはしばらく収まりそうになく,仮に利上げが止まってもタカ派のパウエルさんがすぐに利下げに転じるというストーリー展開も考えにくいので,米国ではしばらく金利が高い状態が続く見立てです.

金・銀・プラチナと金利

金利が高い状態では貴金属投資に旨味がありません

貴金属には金利がつかない一方で,金利が高い状態では国債で運用すればリスクフリーで利回りをフィックスできるため,「貴金属投資なんて旨味ないわぁ,国債の運用で良くね?」となり,貴金属投資のインセンティブが働かず,貴金属の価格は上がりません.

かくいう私もドルコストで金・銀・プラチナを買ってますが「はぁー,なんかこんな金利高い状態で貴金属買うのって旨味ないよなぁ,一旦積立ストップしようかなー」なんて思いながら惰性で続ける日々です.

金・銀・プラチナと為替

金利が高い状態では貴金属価格は上がりにくい,売り方面での苦しみを見ましたが,じゃあ今は安くて買い時かと言うとそうでもないのが辛いところです.

たしかに金利上昇の影響で金をはじめとした貴金属全般のドル建て価格は下がっているのですが,円建て価格ではあまり下がっていません,むしろジリジリと上昇傾向です.

金投資は冬の時代が続く
出典:三菱マテリアルホームページ

グラフは最近5年間のドル建て(銀色)と円建て(金色)の金価格ですが,2021年まではドル建ても円建てもほぼ相関しているのがわかりますが,赤枠で囲った2022年以降はその相関が弱まり,むしろ逆相関になっている時期もあり,ドル建ての金価格は下がっているのに円建てではほとんど下がっていません

これは,すぐに分かる通り,去年から顕著になった円安の影響です.

ドル金利が上がる一方で日銀は相変わらず緩和策を続けて金利が上がらないので,金利の面では当然ドルの方が旨味が強いので円安ドル高に振れやすくなり,そうなると,ドル建てでの金価格は下がっても円建て金価格はほとんど下がらず,グラフではそれがきれいに表れています.

売りでも値上がり期待は持てず,買いでもお買い得価格で買えない,自分で書いててもこの時期に貴金属投資をやる意味は果たしてあるのかと思えてきました.

今後の金投資

金投資の格言,「金は嵐の夜にこそ輝く」.

株などの攻めの資産と違い,金・銀・プラチナは守りの資産なので,これで儲けを狙うものではないと思っているので,毎月金・銀・プラチナに積み立てているのは保険料という位置づけで,これからも細く長く続けていきます.

ただ,私が三度の飯より好きな利子・配当が出ない金・銀・プラチナをメインの資産にはできないので,全資産に占める割合は多くても15%までと天井を決めています.

金が輝かない日が続くのが一番いいのかもしれませんが,せっかく投資をしているので,やはり輝く日が来てほしいとも思う,そんな気持ちです.


では,また.

Posted by Econ