純金積立 税金を考えると地金は小さい方がいい【三菱マテリアル】
純金積立をしていると,金貨として持つか地金として持つか,地金として持つならどの重さがいいかは悩みどころです.
500gや1kgなどの大きな地金はバーチャージがかからないので,コスト面から大きな地金がよく見えますが,税金を考えると,ぶっちゃけ1kgとか500gの地金は投資効率が悪すぎます.
この記事では,シュミレーション結果を踏まえてそこらを検証します.
- 1kgや500gなどの大きな地金はバーチャージが無料
- しかし,地金は小分けにして売却できないので,大きな地金は譲渡所得が大きくなりがちで,そうなるとバーチャージのメリットが簡単にかき消されるレベルで税金が上がる
- 多少のバーチャージがかかっても,地金は小分けにするかコインとして持つほうが売却しやすい
純金積立 税金を考えると地金は小さい方がいい【三菱マテリアル】
金貨 | 地金 |
---|---|
・チャージはかからない ・デザインや加工費がプレミアムとして乗っかるので地金に比べてグラム単価は高い ・金貨交換時に売買が発生するので,確定申告が必要になる場合がある | ・バーチャージがかかる(1kg, 500gは無料) ・金貨のようなプレミアムは発生しない ・地金に交換する時に確定申告は不要 |
これだけ見ると1kg, 500gの地金が良く見えますが,特に1kgの地金は投資という観点からすると無理ゲーです.
なぜなら,地金は小分けにして売ることが出来ないので,1kgや500gの地金を売ると,多くの売却益(譲渡所得)が出てそれに税金がかかることがあるからです.
具体的にシュミレーションでみていきます.
補足:地金を溶解して小分けにするサービスがありますが,この記事ではそれは利用しない前提です.
短期譲渡所得のケース
保有期間が5年以内の金を売却した時の利益は短期譲渡所得として扱われ,金以外の譲渡益がない場合,譲渡所得が50万円以下であれば非課税となります.
取得単価8,000円/gの金を売った時の短期譲渡所得をシュミレーションしてみます.
金(プラチナ,銀も同様)を売った時に発生する譲渡所得は他の所得と合わせて総合課税の対象になるので,税金がいくらになるか精緻な計算はできませんが,概算できます.
注意:以下の計算は基礎控除などを含まない概算です.あくまでも税金の規模感を把握するための目安としてご参照ください.
たとえば,20,000円/gで売却し,金の譲渡所得以外に所得がなかった場合,それぞれのケースでの所得税は
- 1kg 地金 :225.9万円
- 500g 地金 :67.25万円
- 100g 地金 :3.45万円
- 1oz コイン:0円
となり,バーチャージの無料というメリットが簡単に吹っ飛ぶレベルで税金の差が一目瞭然です.
この理由は,上でも書いたように地金は小分けにして売却ができないため,取得単価との差額が大きいと重量のある地金では譲渡所得が一気に膨れ上がるためです.
長期譲渡所得のケース
保有期間が5年を超える金を売却した時は,長期譲渡所得となり,短期譲渡所得から1/2に圧縮でき,シュミレーション結果は次のようになります.
短期譲渡所得と同じように,20,000円/gで売却し,金の譲渡所得以外に所得がなかった場合の所得税を比較すると,
- 1kg 地金 :72.25万円
- 500g 地金 :17.75万円
- 100g 地金 :1.75万円
- 1oz コイン:0円
となり,短期譲渡所得よりはだいぶ良くなりましたが,それでもバーチャージの無料というメリットとは比較にならないくらい,税金が大きくなってしまいます.
まとめ
地金のバーチャージは安くても数千円,高いと2, 3万円かかるので,バーチャージ無料というのはかなり魅力的ですが,それに惹かれて1kgとか500gの地金を買ってしまうと売却する時にかなり大変だとわかります.
多少のバーチャージがかかっても,金(プラチナも同様)の地金は小分けにするか,コインとして保有するほうが効率がいいですね.
ちなみに,金の売却に関する税金はこちらの記事を参照してください.
では,また.
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