金・銀・プラチナ 実物資産3兄弟の特徴

金・銀・プラチナ 実物資産3兄弟の特徴

2022年8月9日

米国株投資が私の投資に圧倒的メインですが,ペーパーアセットだけでなく分散投資の観点から金・銀・プラチナの実物資産へも投資をしています.

実物資産へ投資をしている投資家は株式投資家と比べて少ないですし,ましてや金・銀・プラチナの全てに投資をしている投資家となると結構レアではないかと思うので,金・銀・プラチナの実物資産3兄弟についてまとめてみました.

  • 金・銀・プラチナ投資のメリット:不動産に比べて少額でできる実物資産投資.分散投資でアセット・アロケーションにレジリエンスを持たせたい時にはいい選択肢になる
  • 金は貴金属・ジュエリー需要がメインだが,銀・プラチナは産業用需要がメインで,金に比べて景気の影響を受けやすく,価格変動も大きめ
  • 金とプラチナには産出国による供給リスクがあるため,産出国の情勢によっては供給が絞られて価格上昇リスクがある.
  • 投資の主役にはならないが,金・銀・プラチナを組み込んでおくことでポートフォリオはより盤石になる.

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金・銀・プラチナの概要

プラチナ
希少性
(金の産出=1)
16.50.05
用途貴金属 約80%
産業用 約10%
貴金属 約20% 
産業用 約50%
貴金属 約30%
産業用 約70%
産出地域全世界全世界南ア(70%)
ロシア(20%)
特徴銀・プラチナよりも価格変動は抑えめ
通貨としての役割
産業用途が多く,景気変動の影響大産業用途が多く,景気変動の影響大
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希少性

金・銀・プラチナはその希少性がゆえにそれ自体に価値があります.たとえば金の2020年の年間産出量は3700トンですが,これを仮に世界の全人口に均等に分けると0.5グラムしか行き渡りません.銀の希少性は比較的緩やかですが,プラチナの希少性は金の20倍で,全人口に均等配分すると年間産出量は一人当たり0.025グラムしか行き渡らず,その希少性がよくわかります.

この希少性がゆえの実物資産ですが,不動産に比べて少額で投資ができるのが金・銀・プラチナのメリットで,実物資産へ分散投資をしてアセット・アロケーションにレジリエンスを持たせたい時にはいい選択肢です.

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用途

金・銀・プラチナは主に貴金属・ジュエリー用と産業用の2種類の用途がありますが,金は約8割が貴金属需要に対して,プラチナは貴金属用途が約3割で7割の多数が産業用需要です.銀も産業用が約半分を占めています.

銀・プラチナは産業用に使われることが多いために景気変動の影響を受けやすく,金に比べて価格変動が大きい傾向にあります.

金・銀・プラチナ価格
グラムあたり金・銀・プラチナ価格 出典:田中貴金属ホームページのデータから作成

上の折れ線グラフは,金・銀・プラチナの価格推移で,下の表は過去の価格と2021年の価格を比べたものです.どこを基準の年にするかによってパフォーマンスはかなり違ってきますが,概ねプラスのパフォーマンスは維持できていて,実物資産のメリットである価値保存性は発揮できています.

2021年価格プラチナ
1年4.6%26.1%26.6%
5年45.6%11.1%48.3%
10年57.7%-13.2%-1.7%
15年179.9%-9.5%99.4%
20年479.4%83.3%390.5%
30年297.9%132.4%374.8%
40年93.4%21.2%6.6%

プラチナの圧倒的希少性にもかかわらず,2015年から金とプラチナの価格逆転現象が起きていますが,これはフォルクスワーゲン(VW)によるディーゼルエンジンの燃費不正問題です.2015年にVWによるディーゼル車の燃費改ざんが発覚すると,それまで欧州ではガソリン車よりも重要のあったディーゼル車の需要が激減し,他の欧州の自動車メーカーもディーゼル車の開発をやめて電気自動車の開発にシフトしました.

ディーゼル車は排ガス浄化装置の触媒にプラチナを使用しており,以前はこれが産業用プラチナ需要のメインでしたが,その需要が一気になくなったために,金との価格逆転現象が起きています.

産出地域

詳細の産出国ランキングはこの記事の最後に表でまとめていますが,プラチナは産出が南アフリカに偏っているのに対して,金と銀は以外にも世界中で産出されています.

しかし,金の産出国の1位と3位に中国とロシアがいて,個人的にはここに供給リスクがあると考えています.中国とロシアが今後も安定的に金を供給するかは疑問で,自国の都合で金を抱え込む政策にシフトする可能性があり,そうなると中国とロシアで合わせて全体産出量の約2割を占めていますので,供給は絞られて価格が上がるかもしれません.

また,プラチナは南アフリカに偏在していますが,ここも政情不安でプラチナ鉱山が襲撃されることもあったりと供給不安がつきまとっているので,やはり供給側でのリスクによる価格高騰は注意です.

まとめ

私は10年以上,金投資をしており,それから銀とプラチナ投資も始めましたが,金・銀・プラチナは不動産に比べて少ない金額で投資できる実物資産投資として魅力的です.

また,それぞれ用途が違ったり,産出国による供給リスクがあるので,1つに偏らせずにバランスよく投資できればベターです.

金・銀・プラチナはインカムゲインを生まないので,投資のメインを張るのはおすすめできませんが,資産の15%から20%くらいにとどめて分散投資をすれば盤石なアセット・アロケーションを築けます.

コツコツ続けて,いつの間にか10年以上の投資期間になりましたが,これからも少しずつ続けて行きます.


では,また.

補足情報 金・銀・プラチナの産出国ランキング

順位国名産出量(トン 2020年)全体産出量に占める割合
1中国38010.3%
2オーストラリア3208.6%
3ロシア3008.1%
4アメリカ合衆国1905.1%
5カナダ1704.6%
6ガーナ1403.8%
7インドネシア1303.5%
8ペルー1203.2%
9カザフスタン1002.7%
10メキシコ1002.7%
全世界合計3700上位10カ国占有率 52.7%
金の産出量ランキング

順位国名産出量(トン 2021年)全体産出量に占める割合
1メキシコ560023.3%
2中国340014.2%
3ペルー300012.5%
4チリ16006.7%
5ロシア13005.4%
5ポーランド13005.4%
5オーストラリア13005.4%
8ボリビア10004.2%
8アメリカ合衆国10004.2%
10アルゼンチン8003.3%
全世界合計24000上位10カ国占有率 84.6%
銀の産出量ランキング

順位国名産出量(トン 2020年)全体産出量に占める割合
1南アフリカ12070.6%
2ロシア2212.9%
3ジンバブエ158.8%
全世界合計170上位3カ国の占有率 92.4%
プラチナの産出量ランキング

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Posted by Econ