安定感がもたらす安心感 高配当株の長期保有メリットを経験から考察した
新NISAが始まって4ヶ月が過ぎ,猫も杓子も新NISAだった年始から,最近は少し落ち着いてきた感じがします.
新NISAではオルカンやS&P500が人気で,私もつみたて投資枠と成長投資枠の一部でオルカンに投資していますが,一方で個別株も保有していて,特に高配当株がお気に入りで10年以上の長期保有銘柄もあります.
この記事では,そんな高配当銘柄が長期で何をもたらしたかをレポートします.
シュミレーションではなく実体験なので,個別株投資を考えている人に腹落ちする内容をお伝えできたら幸いです.
高配当株の長期保有 3つのメリット
今回は私が最初に購入した米国株,P&G(PG)をケースに紹介します.
私がPGに投資をしたのは2011年初頭で,そこから2012年と2018年に追加投資をして,13年以上,一切売却せずに保有し続けていますが,PGがもたらしてくれたものは
- 潤沢なキャッシュフローと安定したパフォーマンス
- 安心感
- 年々高まる配当利回り
です.
潤沢なキャッシュフローと安定したパフォーマンス
まず,私のPG投資の基本情報は
- 2011年, 2012年, 2018年の3回に分けて投資
- 現在保有株数:173株
- トータル投資額:約11,000ドル
- 1株あたりの平均株価:63.6ドル
で,2024年5月13日の終値が165.87ドルなのでパフォーマンスは
- 評価益:約18,000ドル
- 累計配当(税引き後):約4,300ドル
- トータルリターン:約22,300ドル
で,投資額の約2倍のリターン(=投資額が3倍に成長)が見込めていて,確定済みの累計配当だけでも投資額の約40%を回収済みです.
安心感
13年で投資額が約3倍に成長というスピード感は,M7などに比べると見劣りは否めません.
しかし,PGは13年超の長期でも安定したパフォーマンスを維持,私が投資してからも毎年安定して黒字確保で,大きな値崩れもなく不安を感じることなく投資を継続できました.
メンタル面で安定して投資ができるというのは重要なファクターなので,数字以上のメリットがあったと感じています.
上のグラフは,確定利益の累計配当だけで投資額の何%を回収済みかをドル建て・円建てで示しており,今年の末までにドル建て41%,円建て55%を回収見込みです.
次の配当利回り項目でも触れますがPGは安定増配を継続しており,回収率が年々積み上がるのに伴って安心感も年々増していきます.
さらに上のグラフは損益分岐株価を計算したもので,ドル建て・円建てそれぞれ38ドル,17ドルまではこの投資で損失は出ないことを示しています.
- 今よりもずっと円高の時代に仕込めた(特に2011年,2012年の投資時は1ドル80円)
- 13年の間,安定したキャッシュフロー(配当)
などのおかげで直近の終値からはドル建て・円建てでそれぞれ77%,90%と十分なバッファーがあり,バフェットの言葉で表現すれば十分な安全域が確保できています.
年々高まる配当利回り
PGといえば1956年から67年連続で増配している配当王銘柄で,そのおかげで配当利回りが年々成長するのを見るのも投資家冥利につきます.
下のグラフは私がPG投資を開始してからの配当額ですが,この期間で配当は2倍近くに成長しており,年平均の増配率は約5.2%でした.
また,下の折れ線グラフは各年の配当利回りをドル建て・円建てでそれぞれ表したもので,継続増配のおかげで配当利回りは年々上がっていて,
- ドルベースでは直近の実績は4.4%,今年の見通しは4.7%,
- 円建てでは,円安の影響で直近の実績は7.1%,今年の見通しは8.1%に到達
まで成長しています.
しかもこれは税引き後の数字なので,税引き後で8%超の利回りと言えば,不動産投資にも負けない収益力です.
まとめ
PGを高配当株のケースとして振り返りましたが
- 潤沢なキャッシュフロー
- キャッシュフローがもたらす安心感
が高配当株の魅力です.
オルカンやS&P500のインデックスファンドはいい商品ですが,配当による継続的なキャッシュフローはやはり魅力的です.
高配当株は急速な成長は期待できませんが,安定して長期にキャッシュフローが期待できるので,売却しない限りキャッシュフローを生まないインデックスファンドを補完する役割を持たせると車の両輪のようにうまく機能すると感じています.
では,また.
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