長期投資で「複利人」たれ!複利は意見ではなく事実である

夕空に輝く摩天楼

2022年7月26日投資複利

日本人の心の拠り所,京都.

学生時代,その京都で過ごして,思い立ったらすぐに世界遺産の寺社仏閣に行ける環境で,実際たくさんの寺社仏閣を訪れて私の価値観はいい方向に大きく変わりました.

そんな京都には当然特別な想いがありますし,ガイドブックを見なくても市バスの行き先を見れば「このバスは乗っていい/ダメ」が瞬時に判断できて,京都観光に私を連れていけば間違いなくお役に立てると自負していますが,それでも,とても京都人を名乗ることはできません.

「京都人を名乗るには3代は京都に住まなあかんな」

京都でバイトをしている時,そこのオーナーに言われた言葉です.

4年住んだだけでは「京都人」を名乗ることはできませんが,15年近い投資経験を通して「複利人」を名乗れるようにはなったかなと思っていて,この記事ではそんな「複利」について書いてみました.

投資の世界で拠り所にするものは人それぞれですが,私が「投資で信じているものは何か?」と聞かれたらトップに来るのは間違いなく複利の力です.

  • 複利とは元本とそこから発生する利子の両方にかかる利子のこと
  • お金持ちになりたければ複利を味方につけるのが鉄則で,投資とは複利をできるだけ長く味方にするのを競うゲーム
  • 複利効果は意見ではなく事実:たとえば5%で50年間積み立てた場合,無利子の場合に比べて資産額は4.4倍に達する
  • バフェットがあれだけの資産を築けたのも複利効果が大きなインパクト:バフェットが60歳の時に投資をやめて,それ以降悠々自適に暮らしていたら,資産は今の0.01%にしかならなかったという試算

投資における複利の世界の住人とは?

「複利人」つまり複利の世界の住人とは,投資の複利効果を享受している投資家のことです.

まず,複利とは元本とそこから発生する利子の両方にかかる利子のことで,例として住宅ローンがあります.

逆に元本のみに利子がかかることを単利といい債券投資がその例です.

たとえば,100万円を年利3%の複利で運用すると,1年後は103万円ですが,2年後は利子の3万円にも3%の利子がかかり106万900円となりますが,単利の場合は元本の100万円にしか利子がつかないので,毎年3万円の利子が発生します.

この複利を投資でうまく使っているのが複利の世界の住人です.

複利効果の強さ

お金持ちになるには複利を味方につけるのが鉄則で,逆に絶対に敵に回してはダメです.

投資とは複利をできるだけ長く味方にするゲームと言っても過言ではありません.

アインシュタインが「複利は人類の最大の発明」とか「複利の力は世界の七不思議に続く8番目の不思議だ」と言ったという逸話があります.

本当にアインシュタインがそう言ったは定かではないですが,たしかに複利効果は絶大です.

実際にその威力を見てみましょう.

ここでは10,000ドルを50年間毎年積み立てて

  • 年間リターン:3%
  • 年間リターン:5%,
  • 年間リターン:7%

の複利で運用した場合にそれぞれの投資額をシミュレーションしてみます.

年間10,000ドル投資でのリターンを示したグラフ
年間10,000ドルを50年間積立投資した時のシュミレーション

10,000ドルを50年間積み立てると,

  • 年間3%の複利運用:約116万ドル(利子0%に比べて2.3倍)
  • 年間5%の複利運用:約220万ドル(4.4倍)
  • 年間7%の複利運用:約220万ドル(8.7倍)

となります.

どうでしょうか?すごすぎてワクワクしませんか?

特にグラフの傾きが指数関数的に増えているのがポイントで,これが投資とは複利をできるだけ長く味方につけるゲームと言った所以で,そのためにはできるだけ早い段階から投資をすることが大事になってきます.

補足:このシュミレーションは配当再投資の効果を含めていないので,配当を全て再投資した場合,資産増加はさらに加速します.ここでは毎年一定のリターンで計算しましたが,もちろんリターンは毎年変動しますし,税金の影響などもあるので,このシュミレーション通りにはいきませんが,それでも複利効果の大きさを実感できると思います.

バフェットと複利効果

最後に,日本でもベストセラーになった『サイコロジー・オブ・マネー(The Psychology of Money)』の著者モーガン・ハウゼルがバフェットと複利効果について面白い試算をしていたのでご紹介します.

バフェットがあれだけの資産を築けたのは彼の卓越した投資センスと圧倒的な分析力があるのは間違いないのですが,それに加えて,50年以上の投資期間とその間に享受した複利効果が大きなインパクトを持っています.

バフェットの個人資産は845億ドルと言われていますが,そのうちの842億ドルが彼が50歳になって以降に築かれたもので,60歳以降に築かれた資産額も815億ドルを占めます.

ハウゼルは「もしバフェットが60歳の時に投資をやめて,それ以降悠々自適に暮らしていたら,資産は1,200万ドルで,現在の0.01%にしかならなかった」と試算しています.

まとめ

複利の力の威力がわかったと思います.

複利の力は自然界の力であり,数学的な事実です.

20年,30年という長期の複利効果は多少のマーケット変動を吸収してもまだ十分お釣りがくるインパクトです.

みなさんが一日でも長く複利と友達でいられますように.


では,また.

Posted by Econ