白黒思考とグレースケール思考 0か1かで決める思考から脱却する
「〇〇が絶対に正しいX個の理由」とか「〇〇が確実に間違っているY個の理由」とか,そういう断定的なタイトルのコンテンツはたくさんありますし,私もそうやって考えていた時期もありましたが,最近は「何かが100%正しいとか,逆に100%間違っているということはほとんどない」と考えるようになりました.
白黒つけるという表現がありますが,正しい意見 vs 間違った意見,0か1か,All or Nothingという白黒思考ではなく,白から黒までの間を振り子が行き来するように,その間にあるそれぞれの事象の確率を考えるグレースケール思考をできるようになろうと日々訓練しています.
「賃貸 vs 持ち家」論争は典型的な白黒思考
たとえば,マネーに関するトピックでは必ず話題になる「賃貸 vs 持ち家」論争.
持ち家派が「持ち家を買えない賃貸派の僻み」と言えば,賃貸派が「将来価値が下がる可能性の高いものをわざわざ買うのは情弱」と言い返して,ちょっとした感情論のぶつかり合いの様相です.
持ち家か賃貸かは,その人の価値観,ライフステージや家族構成,年収や資産状況など,様々な要因を総合的に勘案して決めるものなので百人百様です.
お互いに地元で育って,地元で就職して結婚したカップルがその故郷で子どもを産んで暮らしているのと,将来は海外移住を考えている人との価値観は全然違うと考えるのが自然だと思いますし,そうなれば賃貸 or 持ち家をそれぞれがどう考えるかも大分変わってくると思います.
でも,こういう結論では面白くないし数字も取れないから,「持ち家派」と「賃貸派」というグループに一括りにして,僻みとか情弱などのセンセーショナルなワードで煽っているなぁ,と思うわけです.
グレースケール思考で確証バイアスを避ける
私も昔はこういうトピックを見て,自分の意見に合う主張を見ては「その通り!」と膝を叩いたり,逆に自分の意見に反するものを見ると「こいつは何もわかってないな」と悪態をついて,絵に描いたような確証バイアスに陥っていたわけですが,最近はこういうのからは距離を置いて,トピックを多面的に捉えて色々なシナリオを考えるように頑張っています.
たとえば,上に挙げた賃貸か持ち家かについて
- いつでも,どこにでも移動できるフレキシビリティは人生のテーマであり,賃貸なら足枷にならない
- 借金(住宅ローン)があるという不安で心の平静を乱されたくないし,そこから生じ得る判断ミスも避けたい
- 将来,値崩れしなさそうな不動産はエリアが限られ,それを現金一括で買うのは至難.また,そのような不動産を買うとポートフォリオがアンバランスになる
- 一方で,持ち家であれば自分好みに家をアレンジすることができ,クオリティ・オブ・ライフは上がると思う
- 高齢になった時の賃貸リスクは考慮しなければいけない
等々を判断して賃貸85%あたり,が今の私の状況ですが,人によっては「重視している判断項目が全然違う」とか「判断項目は一緒だけど結論が違う」など色々あると思いますし,それが自然だと思います.
今後,状況が変わったり,自分で考えをアップデートしたり,他の人からアドバイスをもらうことがあると思いますが,そういう時は「間違っている」とか「正しい」の白黒思考ではなく「これを知ったことで賃貸85%から80%になった」というグレースケール思考で,フレキシビリティを大切にしていきたいです.
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