余裕資金の本当の意味 「だろう家計」ではなく「かもしれない家計」を心がける

投資

「投資は,なくなっても困らない余裕資金で行うのが鉄則」とはよく言われますが,この文章をよくよく読むと違和感を覚えます.

投資は余裕資金で行うべし,については宜なりと思いますが,その余裕資金が「なくなっても困らないお金」と定義されているのは,「少なくとも私にはなくなっても困らないお金なんて1円もないなぁ」というのが正直なところで,私の行くガソリンスタンドは現金だとリッター単価が安くなるので毎回現金払いなのですが,機械に小銭をいれる時に,入金額通りかを毎回1円単位でチェックしてます.

この記事では,投資とは切っても切れない余裕資金について思うところを書き連ねてみようと思いますので,参考になれば幸いです.

余裕資金の定義

冒頭触れたように,余裕資金とはなくなっても困らないお金ではありません.

バフェットは,エレベーターに落ちていた1セントコインを拾って「次の1億ドルへの第一歩だ」と言ったと言われています.

このエピソードは出典がはっきりしていないので,本当にバフェットがそういう発言をしたかの真偽は不明確ですが,これはどんなにお金持ちになっても,1円たりともお金を粗末に扱ってはいけないという教訓のあるエピソードで,数あるバフェットの逸話の中でも私には印象に残っています.

では,私の中での余裕資金の定義とはどんなものかと言うと,それは「当面は支払いに充てる必要がない資金、つまり支払期日のない資金」です.

投資は余裕資金で行うべしの真意

余裕資金について定義したので,それではここから投資とは余裕資金で行うべきものだ,という点についてもう少し掘り下げてみます.

これは要は,たとえ手元資金であっても,支払い期日の見えているお金を投資に回すのはNGということです.

たとえば,半年後に来る50万円の支払いのために手元資金として50万円ある状態で,半年間50万円を寝かしておくのはもったいないないので,これを残りの半年間で運用して少しでも増やしたい,と考えるのはNGです.

そういう資金を投資に回して支払日の直前に大きなショックが来て大きな評価損が出てしまったら目も当てられません.

余裕資金で投資をしていれば気長に待てるので、その間に株価が回復したり、配当で回収できるかもしれませんが,期日の決まっている投資資金は脆弱です.

お金に時間の余裕を与えれば、そのお金が生み出したお金も時間の余裕を持てる

とアンドレ・コストラニーも言ってますしね.

アンドレ・コストラニーはそこまで有名ではないで

すが,ハンガリー出身の投資家で,第二次世界大戦後にドイツに投資をしたことで一財をなし,その実績から,後年は株式投資に関するコラムを投稿したり,セミナーを行っていたそうです.

なお上の例で,「最悪の場合でも,これからの半年を節制して50万貯蓄すればいい」と考えるのもNGで,「何とか貯金できるだろう」と楽観的に考えがちですが,経験上、お金の何とかなるは何とかならないと理解しているので,「だろう家計」ではなく「かもしれない家計」を心がけています.

Posted by Econ