あなたのポートフォリオはリーマン級の下落に耐えられるか
2022年早々から米国株は荒々しい船出ですが,オミクロンが来ようがウプシロンが来ようが,引き続きドルコスト平均法で積み立てています.
下落相場では不安になりますが,その理由は底が見えないことです.NASDAQは年初から約15%下落していますが,これがさらに20%, 30%と下げ続けたら…と不安になるのは当然で,レバレッジをかけてきた人は尚更です.
これから先も下げ続けるのか,どこまで下がるのか,それともここから反転するのか,それは誰にもわかりません.しかし,過去のデータからヒントを得ることがはできます.
この記事では,もし2022年がリーマン・ショックの起こった2008年と同じパフォーマンスになった時,ポートフォリオのパフォーマンスがどうなるかPythonを使ってバックテストしてみました.これを参考に,自分のポートフォリオがリーマン・ショックでどれだけ変動するか試すきっかけになれば嬉しく思います.
2008年の相場下落
上の図は2007年から2009年のVTIのチャートで,リーマンショックが起こった2008年を赤枠でフォーカスしています.2008年は年始の56.16ドルから年末に35.39ドルとマイナス20.77ドル,率にしてマイナス37%でした.
そして,下の円グラフが私のポートフォリオです.Pythonでこれらの2008年の株価データを取得し,年間リターンをバックテストします.
バックテスト結果はマイナス24.6%
上の図が,銘柄ごとの日々の株価変動を年率にしたもので,これを2008年のパフォーマンスとします.
リーマン・ショックが起こった年なので当然ながら軒並みマイナスで,特にマイクロソフト(MSFT)やQQQ, VGTなどのグロース銘柄が大きく下げています.一方,ゼネラルミルズ(GIS)やジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ),P&G(PG)やベライゾン(VZ)などのディフェンシブ銘柄は検討していて,まさに教科書どおりの結果です.GISに至ってはプラスで,こういう状況で崩れない銘柄がポートフォリオに入っていると心強いですね.
そして,このデータに基づいて計算したポートフォリオのパフォーマンスが下の図です.
どうでしょうか.マイナス24.6%です.現在のドル保有額がだいたい23万ドルくらいなので,リーマン・ショックレベルの下落が来たら,約56,600ドル,日本円で約650万円下落しそうです(楽天VTIなど,円建ての米国株インデックス投信も保有しているので,実際の下落額はもっと大きくなるはずです).
まとめ
コロナショックでは約300万円が一気に溶けましたが,その時から資産規模が膨らんでいるのもあり,今回の試算結果はそれ以上のインパクトでした.楽しい結果ではないですが,このイメージを持つのと持たないのでは大違いです.
「自分のポートフォリオはディフェンシブ銘柄が中心だから下落してもせいぜい20%だろう」とか「GAFAMが中心だから大きな下落は考えにくい」というのは,実際に下落相場が襲って来たときに何の役にも立たないただの妄想です.
そうではなく,「今,リーマン・ショックレベルの下落が来たらポートフォリオはX%下落する.でも生活費の1年以上を貯めているので,そのレベルの下落なら耐えられる」というデータに基づいた意見を持っておけば,下落相場が襲ってきても冷静に対処できます.
私も含めた投資家,というか人間には自分に都合の悪いことは考えないというバイアスがかかっています.投資で言うと「リーマン・ショック級の下落が来ることは(少なくとも自分が投資している間は)ないだろう」と考えがちだということです.
未来の相場は決してわかりませんが,上のリーマンショックのグラフを見ても,悪い変化はあっという間に訪れます.風船から空気が抜ける時間は風船に空気を入れる時間よりもずっと短いのです.
悪い変化が急に襲ってきてあたふたしないように,今から気持ちを整えておきます.
それでは,また.
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