新興国ETF VWOで成長投資
先日,こんなツイートをして,今年からVXUSとVWOへの投資を開始しました.
VXUSについては,VTと比較して別の記事でまとめましたので,この記事ではVWOを掘り下げたいと思います.
カントリー分散投資に役立つETFなので,ポートフォリオに組み込む時の参考になれば幸いです.
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- VWOは新興国株市場を投資ターゲットにしたバンガードのETF
- 国別投資No.1 中国,No.2 インド No.3 台湾
- 新興国の成長を取り込めるのは魅力的だが,価格変動のリスクは大きい
- 単独で使うよりも米国株(VTIやVYM)と先進国株(VXUS)と組み合わせると効果が大きい
VWOとは
VWOは我らがバンガードのETFで,正式名称はVanguard FTSE Emerging Markets ETF ,その名の通り新興国市場へのみ投資しています.
商品名にも入っているFTSE Emerging Markets All Cap China A Inclusion Index という長ったらしい指標と同じレベルのパフォーマンスを出すことがETFの目的です.
FTSEは会社名で,要は,
FTSEが発表している中国(A株)込みの新興国市場インデックスのパフォーマンスを目指す
ということになります.
では実際にVWOの投資対象国のランキングを見てみます.
中国が3割を超えてトップ,それにインド,台湾と続きこの3カ国で約7割をしめ,その後ブラジル,サウジ,南アと続いてトップ10で約90%をしめています.
中国・インド・台湾はそれぞれに特化した投資信託やETFも多く,それらを買っている投資家も多いと思いますが,VWOはこれ一本でそれ以外の新興国へ投資でき,南米,アフリカ,中東とそれこそ全リージョンに投資できるのが魅力です.
利回り | 4% |
経費率 | 0.08% |
純資産総額 | 930億ドル |
新興国への投資のため利回りは4%と高く(その分,高リスクですが),一般には難しい新興国への投資にもかかわらず経費率も0.1%以下に抑えてくれているのはさすがバンガードです.
純資産総額も930億ドルと十分な規模で償還リスクや流動性リスクも小さいです.
なお,レイ・ダリオは「米国の時代は終わった」とよく言っていますが,それを反映してか彼の率いるブリッジウォーター・アソシエイツは投資対象の50%以上をVWOなどの新興国に振り向けています.
VWOの注意点
高い成長が期待できる新興国市場へ幅広く投資できるのは魅力的ですが,裏を返せばリスクが高いということです.
バンガードで人気のインデックスETF,VTI, VT, VOO, VYMとVWOのボラティリティを実際に比較してみます.
VWO | VYM | VT | VTI | VOO |
---|---|---|---|---|
22.3% | 20.4% | 20.1% | 21.1% | 21.2% |
極端に高いわけではないですが,やはり他のインデックスETFに比べてボラティリティは高くなっています.
VWOをあまり多くポートフォリオに組み込むと価格変動リスクが大きくなるので,株価の上下で不安を感じる人は予め上限を決めておくといいかもしれません.
上のグラフは2018年1月1日を基準にした株価の推移ですが,VWOのパフォーマンスは米国株ETFやオルカンETFに比べてあまりいいとは言えません.
新興国株は成長力が魅力的なのにこのパフォーマンスは,ジェレミー・シーゲル教授の「成長の罠」に陥っているのかもしれません.
しかし,私もマレーシアに行ったことがありますが,国全体が元気な感じはとても魅力的です.
その勢いが投資に反映されるには数年かかるので,長期視点でポートフォリオに組み込むといいETFだと考えています.
なお余談ですが,VOOとVTIのグラフがほぼ重なっていて,かつボラティリティも0.1ポイントしか違いません.
VOOとVTIについては
- VOOはS&P500しか対象としていないので,今後出てくる成長企業を取り込めていない
- 一方のVTIは小規模企業も含んでいるのでリスクが高い
という議論がありますが,データを見る限りVOOとVTIに差はありませんし,どちらも素晴らしいETFなのでどっちか気に入った方をポートフォリオの一員にすればいいと思います.
VWOの使い方
VWOはそれ単独で使うよりもVTIやVYMとVXUSと組み合わせることで威力を発揮します.
私の使い方は
- VTIやVYMで世界をリードする米国株を広くカバー
- VXUSで米国以外の先進国へ投資
- VWOで新興国へ投資
で,これによってまさに世界の国々をカバーできます.
どの割合でどのリージョンに投資するか自由にアレンジできるのが魅力的ですが,私は中長期的には
- VTI & VYM 50%
- VXUS 30%
- VWO 20%
を目指しています.
まとめ
- VWOは新興国株市場を投資ターゲットにしたバンガードのETF
- 国別投資No.1 中国,No.2 インド No.3 台湾
- 新興国の成長を取り込めるのは魅力的だが,価格変動のリスクは大きい
- 単独で使うよりも米国株(VTIやVYM)と先進国株(VXUS)と組み合わせると効果が大きい
では,また.
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