【金融資産】マス層の内訳 3000万円以下を細分化
野村総合研究所(NRI)の金融資産ピラミッドを見て,
「なんで上位20%を4つに分けて,下位80%のマジョリティをマス層という1つに押し込めるの?」
と思ったことはないですか?
私はアッパーマス層に近づくにつれて,0円から3000万円を一括りにして最下層扱いする分類にはっきり言ってかなりモヤモヤしていました.
そこで,この記事ではマス層を5つに細分化してみました.
個人的な経験に基づくもので客観的な根拠はありませんが,アッパーマス層を目指す人のモチベーションアップになれば嬉しいです.
- エマージング層:資産運用をする前の段階.できるだけ貯蓄してエントリー層へ
- エントリー層:一年間の生活費を確保して投資に向けた準備.
- スターティング層:一年間の生活費が確保できたら本格的な投資デビュー
- ミドル層:投資の選択肢が広がり,将来的な困窮リスクは減る.
- ステイブル層:多少の社会経済の変化にもレジリエンスを発揮.アッパーマス層へのモチベーションからマネーリテラシーもアップ
- ただし,グルーピングにこだわりすぎるのはNG.資産運用のライバルは他人ではなく,自分だということは常に意識
マス層の内訳を細分化した理由
このトピックに興味を持つのが比較的お金に余裕のある人が多いのでNRIもこのような分類にしているんだと想像しますが,これは3000万円が近づいている人をかなりデモチさせる分類だと思います.
実際私はそうでした.
金融資産3000万円と言えばそれなりに余裕のある家計ですが,それが最下層に括られている状況は気分良くないですし,それに同じマス層でも純資産100万円の世帯と2,500万円の世帯では余裕度が全然違います.
- 準富裕層の5500万円と7900万円の世帯
- マス層の100万円と約2500万円の世帯
同じ2,400万円の差でも,5500万円と7900万円の余裕度はたいして変わらないと思いますが,100万円と2500万円の余裕度は相当変わります.
マス層は資産内訳によって,もう少し細分化できると思っています.
エマージング層:純資産100万円未満
資産運用をする前の層です.
住宅ローンなどの負債があってネットの資産がマイナスの家計もエマージング層となります.
社会経済の変化があると家計が行き詰まるリスクがあるため,貯蓄して一日も早く次のエントリー層への移行が望まれます.
余談
住宅ローンを負いながら投資をしている人も多いですが,これでは資産が下落した時に耐えられない危険性があります.
資産は簡単に価値が下がりますが,負債は支払わない限り減ることはないので,状況が悪くなると残債を担いでマーケットからの退場もありえます.
うまく行っている時はいいですが,何かあると一気に崩壊しかねない危険な状態なので,ある程度の生活費を確保した後はローン返済が最優先となります.
エントリー層:純資産額 100万円~500万円
20代後半のシングルや新婚夫婦のイメージです.
この層は,投資の前に一年間の生活費を確保することが第一歩になります.
生活費を確保しないで投資を始めると,下落時にパニック売りという投資で一番やってはいけない行動に走る危険がありますが,確保できていれば多少の変動にも耐える精神的余裕が生まれます.
スターティング層:純資産額 500万円~1000万円
本格的に投資を開始する層で,まずは米国株インデックスファンドをドルコスト平均法で買い,投資に慣れることから始めます.
投資の勉強も進め,財務分析や企業の定性評価ができれば個別株投資をするのもいいと思います.
20代でスターティング層に到達し,少しずつでも投資で着実なリターンを出していければ,複利の効果で将来的にはアッパーマス層から準富裕層,そして富裕層と,盤石な資産を築くポテンシャルがあります.
ミドル層:純資産額 1000万円~2000万円
純資産が1000万円以上だと投資の選択肢も広がり,分散投資が肝になってきます.
2019年に老後2000万円が問題になりましたが,住宅ローンを完済してミドル層の純資産額で定年を迎えれば,贅沢は出来なくても生活に困窮することは避けられるはずです.
金融広報中央委員会による調査では,日本の世帯あたりの純資産額の中央値が約650万円,マス層の世帯あたり平均純資産額が1556万円なので,おそらく日本の50%強がミドル層以下に属すると推測していますので,ミドル層であればマス層では中の上と言えそうです.
ステイブル層:純資産額 2000万円~3000万円
2,000万円以上の純資産があれば,多少の社会・経済の変化に対してもレジリエンスを保てます.
また,その上のアッパーマス層が視野に入るので,アッパーマスになりたいというモチベーションからマネーリテラシーに興味がでてきます.
また,お金持ちマインドが芽生えてきて,価格と価値を考えるようになります.
価値があると判断したものには惜しみなくお金を使う一方,価値がないものはビタ一文支払わない,となったのもこの頃からです.
まとめ
以上,マジョリティのマス層を細分化してみましたが,区切りの数字は単に便宜上のもので,その数字に根拠はありませんが,3000万円が見えてきている人のモチベーションアップにつながれば嬉しいです.
ただ,NRIの調査結果は自分の相対的な位置がわかって面白いし,私も楽しみにしていますがこだわりすぎはNGです.
資産運用や家計のライバルは過去の自分であって,他人ではありません.
ゆっくり,着実にお金持ちを目指しましょう.
では,また.
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