【最新版】日本の資産階層の変化を分析!さらにマス層を5カテゴリーに細分化
この記事は2022年1月7日にリライトしました.
どうも,Econです.
野村総合研究所による日本の世帯と金融資産に関する最新調査結果(2019年版)が発表されました.2年に一回の発表ですが,私はこれがとても楽しみですし,マネーリテラシーの高い人ならおそらく下のようなピラミッドを見たことがあると思います.
この調査はとても興味深いのですが,上位20%は4つのレイヤーに分類されているのに,約80%がマス層に押し込められているという問題点があります.おそらく,このトピックに興味を持つのが比較的裕福な人が多いためにこのような分類にしているのかとは思いますが,20%の少数派を細分化する一方で80%と圧倒的多数を占めるグループを一括にするのは少し乱暴です.
それに同じマス層でも純資産100万円の世帯と3,000万円に近い世帯では余裕度が相当違います.同じ2,900万円の差でも準富裕層の5,000万円と7,900万円の世帯を比べた場合,5,000万円の家計はゆとりがあるので,両者の余裕度はあまり差がないと思いますが,100万円と約3,000万円の場合,余裕度は相当変わるはずです.
そこでこの記事ではマス層を5レイヤーに細分化してみました.何の統計根拠もなく,個人的な経験に基づくものになりますが少しでも参考になれば幸いです.
エマージング層:純資産100万円未満
資産運用をする前の層です.社会経済の変化があると家計が行き詰まるリスクがある脆弱な家計であり,日々の支出を抑えて出来るだけ貯蓄して,一日も早くひとつ上のエントリー層に移行することが望ましいです.
住宅ローンなどの負債があってマイナス資産になる家計もここに含めます.住宅ローンを負いながら投資をしている人も多いですが,このようなケースでは資産の下落に耐えられない危険性があります.資産は簡単に価値が下がりますが,負債はどんな状況でも厳然と残るので,最悪のケースでは残債が生じてマーケットからの退場もありえます.うまく行っている時はいいですが,何かあると一気に崩壊しかねない危険な状態なので,最優先でローン返済資金を貯蓄することが必要になります.
エントリー層:純資産額 100万円~500万円
20代後半のシングルや新婚夫婦のイメージです.この層は,投資を始める前に一年間の生活費を生活防衛資金として確保することが最初の一歩になります.生活防衛資金を確保しないで投資を始めると,余裕がないので下落時にパニック売りという投資で一番やってはいけない行動に走る危険性が高くなります.一方,生活防衛資金が確保できていれば多少の変動なら耐えられるので,うまく切り抜けられる可能性が高くなります.
まずは生活防衛資金を確保して,そこから投資のスタートラインに立つことが必要です.
スターティング層:純資産額 500万円~1,000万円
生活防衛資金の確保が完了して,本格的に投資を開始する層です.まずは米国株インデックスファンドをドルコスト平均法で買い,投資に慣れることから始めます.投資の勉強も並行して進め,財務分析や企業の定性評価ができれば個別株投資をするのもいいと思います.
20代でスターティング層に到達し,少しずつでも投資で着実なリターンを出していくことができていれば,複利の効果で将来的にはアッパーマス層から準富裕層,そして富裕層と,盤石な資産を築くポテンシャルがあります.
ミドル層:純資産額 1,000万円~2,000万円
純資産が1,000万円以上あれば投資の選択肢も広がり,アセットアロケーションを意識した分散投資もできるようになります.
数年前に老後2,000万円が問題になりましたが,住宅ローンを完済してミドル層の純資産額で定年を迎える事ができれば,贅沢は出来なくても生活に困窮することは避けられるはずです.
金融広報中央委員会による『家計の金融行動に関する世論調査』では日本の世帯あたりの純資産額の中央値が約650万円であり,マス層の世帯あたり平均純資産額が1,556万円であることから,おそらく日本の50%強がこれまで見てきたミドル層以下に属するのではないかと推測しています.
ミドル層であればマス層では中の上と言えそうです.
ステイブル層:純資産額 2,000万円~3,000万円
2,000万円以上の純資産があれば,多少の社会・経済の変化に対してもレジリエンスを保てます.また,その上のアッパーマス層が視野に入るので,アッパーマスになりたいというモチベーションからマネーリテラシーに興味がでてきます.
私も,誰に知られるわけではないものの最下層のマス層で括られるのは気持のいいものではないので,アッパーマス層が見えてきた頃は毎月資産額をチェックするたびに「今月は純資産3,000万円超えてないかな」とソワソワしてました.
また,このレベルになるとお金持ちマインドが芽生えてきて,価格と価値を考えるようになります.価値があると判断したものには惜しみなくお金を使う一方,価値がないものはたとえ安くても支払わない,というようになるのもこの頃からです.
まとめ
私を含め日本人はこうしたランキングやカテゴリー分類がとても好きですが,3,000万円,5,000万円,1億円などの区切りの数字は単に便宜上のもので,その数字でなければいけない根拠は何もないので,このような調査結果との比較は参考にするのはいいですが,こだわりすぎはNGです.
資産運用や家計は過去の自分と比較して良くなっているかが大事であり,ライバルは他人ではなく過去の自分です.
それでは,また.
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