経済学を一冊で網羅できるおすすめテキスト
2022年のマーケットのキーワードは間違いなく「金利」と「インフレ」でしたが,2023年はそれに加えて「景気後退(リセッション)」がキーワードになってきそうです.
- 金利が上がるとなぜ景気は減速するのか(株価は下がるのか)
- 金利が上がるとなぜ債券価格は下がるのか
- 短期金利と長期金利はどう決まるのか,どう違うのか
などを理解するのは投資でも大切になってきますが,この記事ではそこらも含めて経済学の基本を押さえることができるテキストを紹介します.
ポール・クルーグマンの"Economics 6th Edition"です.
- “Economics 6th Edition"は一冊で経済学のトピックを網羅しており,英語もそこまで難しくない.
- 約1000ページとボリューミーだが,チャプターの要所にサマリーがあるので,ポイントを押さえて読み進めることができる
- 経済学の知識があればマーケットや経済に対する仮説構築ができるし,自分の仮説があれば,メディアやSNSで垂れ流されているノイズに飛びつくことも少ない
- セオリーを知り,仮説構築・仮説検証のプロセスを回し続ければ経済に対する感度が上がり,投資家として大きなスキルになる
“Economics"のいいところ
このテキストのいいところは
経済学のトピックを一冊で網羅していて,しかも簡単な英語なので英語のトレーニングにも使える
という点です.
ポール・クルーグマンは2008年にノーベル経済学賞を受賞しており,主に国際経済学の分野で功績を残した人ですが,"Economis 6th Edition"はマクロ経済学(以下,マクロ)とミクロ経済学(以下,ミクロ)を幅広く網羅していて,これ一冊で学部レベルのマクロとミクロはカバーできると思います.
書かれている英語はそんなに難しくないですし,クルーグマンは文章がとてもうまいので,案外サクサクと読めますし,なにより読んでいて楽しいです.
英語のテキストなんて無理,という人には日本語版も出ていますが,日本語版はマクロとミクロの2冊に分かれていて高くつきますし,本棚に箔をつけるためにも個人的にはやっぱり英語版がオススメです(笑)
約1000ページと膨大ですが,チャプターの要所要所にサマリーがあるので,それでポイントを押えて読んでいけばだいぶ飛ばし読みができます.
本屋に行くと沢山の経済本がありますが,これは個人の好みもあるものの,一般書をさらっと読むよりも腰を据えて硬派なテキストを読んだ方が知識の身につき方が違います.
経済学の知識があるといいこと
投資に関する直接的なベネフィットはありませんが,
- マクロでは,マーケットや経済状況に対する仮説構築
- ミクロでは,個別企業の収支見通しの仮説構築
が無意識にも出来ているように感じます.
自分の仮説があるので,メディアやSNSで垂れ流されているノイズに飛びつくこともあまりないですし,それもあって米国株投資を12年以上続けられているのかもしれません.
「ノイズを遮断して,感情を排除して,原則を頼りに投資する」が投資の要諦なので,経済学の知識で仮説構築が出来ている,というのが間接的であっても一番大きなベネフィットかもしれません.
また,マーケットはセオリー通りには動きませんが,セオリーを知っていれば,何が原因でセオリー通りに動かなかったのかという検証ができます.
経済の仮説検証ができるようになるのは数カ月後から長い場合は1年以上後というケースもザラですが,仮説構築・仮説検証というプロセスを回し続ければ経済に対する感度が上がり,それは投資家として大きなスキルになります.
おすすめ経済学テキストのまとめ
- “Economics 6th Edition"は一冊で経済学のトピックを網羅しており,英語もそこまで難しくない.
- 約1000ページとボリューミーだが,チャプターの要所にサマリーがあるので,ポイントを押さえて読み進めることができる
- 経済学の知識があればマーケットや経済に対する仮説構築ができるし,自分の仮説があれば,メディアやSNSで垂れ流されているノイズに飛びつくことも少ない
- セオリーを知り,仮説構築・仮説検証のプロセスを回し続ければ経済に対する感度が上がり,投資家として大きなスキルになる
では,また.
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