資産は加速する 資本主義世界の2大ルールから考察する

資産複利

「金持ち(資本家)はますます富む」というのを聞いたことがある人も多いと思います.

私のような一般庶民には素直に受け入れがたい言葉ですが,大貧民の革命のような根底から覆るようなルール変更がない限り,これが資本主義の原則で,今後もそうあり続けます.

であれば,資本主義のルールを味方につけて資本家側に少しでも移動できるようにアプローチするのが正しい戦略で,その2大ルールが

  • 複利効果
  • 資本収益率:r > g

です.

第一のルール:複利効果 その威力と要諦

複利効果とは利息に対しても利息がかかることで,投資で言えば,その年の成長分に対しても翌年以降は成長が効くことで指数関数的に成長する,というもので,アインシュタインも複利効果の大きさに言及したという逸話は有名ですが,投資では他の全てを忘れてもこの複利効果さえ覚えておけば何とかなると思っています.

複利効果は言われてみれば当たり前の概念ですが,これを意識して投資に参加するかどうかで投資パフォーマンスは圧倒的な差がつきます,言うなれば,投資は複利効果をどれだけ最大化するかを競うゲームだと認識しています.

複利効果を味方につける

複利効果を最大化するため,私は一度投資をしたものは基本的に売却しません,よく言うバイ・アンド・ホールドです.

もちろん,失敗と判断したものは損切りしたこともありますが,これまで50以上の銘柄に投資をしてきて,売却したのは片手で数えられる程度です.

また,これまで入金された配当は今まで1円も使わず全てを再投資に回していて,最近は配当再投資の複利効果も実感するようになってきました.

味方につけるのと同時に,絶対に複利を敵に回さないようにも気をつけていて,具体的には借金は絶対にしないようにしています.

不動産投資のように借入利率以上の収益率で運用できる見込みがあればいいですが,そもそも不動産投資の収益は保証されたものではないですし,過去のトラウマも相まって仮に不動産を買う場合でもローンを組むには相当慎重ですし,消費行動では絶対にローンを組まないと決めています.

第二のルール:資本収益率r > g 世界を二分する不等式

r > g はフランスの経済学者トマ・ピケティの著書『21世紀の資本』で書かれたもので,

  • r: 資本収益率
  • g: 経済成長率

で,18世紀まで遡ったデータではrの平均が約5%に対してgの平均が1~2%とr > g が長期にわたって成り立ってきたというものです.

累計成長比較(5%と2%のケース)

rとgがそれぞれ年平均の5%と2%で増えていくと仮定した場合,30年間でどれだけ差が出るかを示したのが上のグラフで,成長率5%のrは30年後に4.3倍に成長しているのに対し,gは1.8倍にとどまり2倍以上の差が生まれています.

そしてこの差を生んでいるのもまさに複利効果ですね.

r > gは「裕福な人 (資産を持っている人) はさらに富み、労働でしか富を得られない人は相対的にいつまでも裕福になれない」という無情なルールを突きつけていますが,これも前向きに捉えて対処できます.

ルールを飼いならす

r > gは,gの世界の住人(労働者)視点では厳しい世界を突きつけられますが,裏を返せば,自分がrの世界の住人(資本家)になれば程度の差はあれど,その効果を享受できるということです.

だから私は,gの世界で労働の対価として得たお金をできるだけrの世界に送り込むことを意識して,必要以上の現金を持たず,積極的に投資をしてきました.

具体的には,現金は月間支出の半年分,いわゆる生活防衛資金以上は基本的に現金を保有せずに投資に回すことにしていて,生活防衛資金はすでに確保済みなので,毎月の貯蓄がそのまま投資に回ることで,直近のアセット・アロケーションでは現預金比率は10%以下,現預金の割合が50%を超える日本の平均的家計とはだいぶ違ったアセットアロケーションです.

2つのルールを味方につけた結果報告 効果継続中

各資産レベルに到達するのにかかった累計期間

上のグラフは,1,000万円ごとに各資産レベルに達するのに累計でどれだけの時間がかかったかを示したグラフで,最初の3,000万円に到達するまでは9年弱かかりましたが,3,000万円を超えてからは目に見えて資産増加が加速しているのがわかります.

特に6,000万円を超えてからは,昨今の円安効果も大きいですが,1年間で2,000万円の資産増加となり,例えるなら,最初の3,000万円までは自分の足で階段を上っていたのが,3,000万円からはエスカレーター,6,000万円を超えてからはエレベーターに乗り換えたような感覚です.

もちろん,今後も一本調子で上っていく調子はなく,ここ最近の上がり方を考えると調整が入るシナリオも濃厚ですが,ある程度の時間が経過した複利効果とr > gのコンビネーションはマイティーガードのように鉄壁の守りをもたらしてくれるので腰を据えて投資に取り組む余裕ももたらしてくれます.


では,また.

Posted by Econ