経済的自立は,過去のパフォーマンスのその先に

資産

新NISAが始まり,2024年は投資元年と言われていて,今年から投資を本格的にスタートさせて自分の投資が将来どのように成長するかに期待している人も多いと思います.

この記事では特にそんな投資初心者の人に向けて,時間の経過とともに投資がどのように成長していくかを説明したいと思います.

この記事のポイント

想定読者

  • 投資初心者,特に今年から始まった新NISAに伴って投資を始め,自分の投資が将来どのように成長していくかのイメージを持ちたい人

伝えたいこと

  • 私の過去のリターンを参考に,将来どれくらいに成長するのか
  • 投資を継続していると,経済的自立(FI)は見えるのか

過去のリターン

年ごとの累計リターンと年平均リターン(税引き後)

上のグラフは私が投資を始めた2011年からの累計と年平均のリターンをそれぞれ棒グラフ(左軸)と折れ線グラフ(右軸)で表したもので,この13年間で投資は1.7倍に成長しました(私は全ての数字をグロスではなくネットで見るので,税引前のグロスだと約2.5倍です).

年平均については投資初期には2桁のリターンでしたが最近は4 – 5%で安定していて,その理由は

  • 投資初期は投資金額が少なく,かつ銘柄数が少なかったので,ボラティリティが高かった(幸いにもプラスのボラだった)
  • 2015年あたりからインデックス投資を組み込み,ポートフォリオのリターンは低下したがリスクも低下した
  • 2018年以降の累計投資は総投資の約70%を占めるメインだが,まだ投資から数年しか経っていないため,本格的な回収フェーズはこれから

です.

私より優れたパフォーマンスを出している投資家さんは沢山いますから,年平均4.2%のリターンはショボく見えると思いますが,私はこのリターンに満足しています.

もっと果敢にリスクを取れば更に大きなリターンを狙えたかもしれませんが,私のリスク選好ではこれが投資の巡航速度で,これを超えると遅かれ早かれいずれシステムが限界に行き着くと思っています.

なので,今後より高いリターンを目指して投資方針を変えるつもりはないです.

将来の期待リターン見通し

私の過去13年間の年平均リターンである4.2%で投資を継続した場合,将来何倍に成長しているかを試算したものが下のグラフです.

シュミレーションでは10,20,30年後には投資がそれぞれ1.2倍,1.6倍,2.0倍に成長し,もし20代もしくは30代の前半から投資を始めて,投資期間が40年確保できた場合は2.6倍にまで成長する見立てです.

たとえば年間投資額が100万円の場合

  • 10年後:投資額 1,000万円 → 約1,200万円
  • 20年後:投資額 2,000万円 → 約3,200万円
  • 30年後:投資額 3,000万円 → 約6,000万円
  • 40年後:投資額 4,000万円 → 約1億400万円

に成長するストーリーです.

「将来,投資額の何倍になるか」は投資額には依存しないので,自分の年間投資額を使い,それが将来何倍になるかイメージを掴む参考になれば幸いです.

年間100万円,月平均では約8.3万円を長期的に投資に振り向けるのは簡単ではないかもしれませんが,仮にこれを20年間続けられれば,投資した2,000万円が3,200万円に成長して,数年前に問題になった「老後2,000万円問題」はクリアできる見通しです.

また,経済的自立(FI: Financially Independent)に必要な額は人それぞれですが,ここでは仮に1億円と仮定すると,この1億円に到達する年数は

  • 年間投資額 100万円 → 約40年
  • 年間投資額 200万円 → 約27年
  • 年間投資額 300万円 → 約21年
  • 年間投資額 400万円 → 約18年

となります.

世帯年収1,000万円の家庭で税金,社会保険,家賃(住宅ローン),教育費などがヘビーなので年間300,400万円を長期にわたって投資に振り向け続けるのは無理ゲーだと思いますが,仮にできた場合はそれぞれ約21年と18年でFI達成です.

また,年間100万円を捻出できれば,時間はかかりますがコツコツと投資を続けることで40年でFIを達成できる見通しで,こうなれば多少の贅沢をしながら老後の人生を楽しむ算段はつきそうです.


年間にいくら投資に振り向けることができるかでFI達成の時間は違いますが,愚直に投資を続けていけばFIには着実に近づきます.

FIや1億円と聞くと途方もなく感じますし,確かにそこに至る道程は長く長く,途中で嫌気がさしたり諦めモードになることもあると思いますが,そんな時こそ,ゆっくりと,でも着実にFIへの階段を一段ずつ上がっているイメージを大切にして,投資ライフを楽しんでください.


では,また.

Posted by Econ