お金に対する考え方と金融資産レベルの3段階
お金とは何か,スタンスは人それぞれですが,その人のお金の状況,特に資産の状況によってお金の捉え方は大きく変わります.
私も,昔と今とではお金に対する考え方がずいぶん変わりました.
- 第1段階:お金はできれば考えたくないもの,避けたいものと考える.なぜなら,お金のことを考えるとお金が十分にないことに引け目や劣等感を覚えてしまうため
- 第2段階:少し資産が貯まってくると,お金がない状態に戻りたくないという気持ちから,お金が目的となり,ケチになりがち
- お金が目的となる期間が長いのはあまり良くないが,子どもが反抗期を経て親のありがたみを分かるようになるのと同じように,第2段階を経て,お金は手段だという第3段階に行ける
- 第3段階:お金は目的ではなく人生を豊かにするための手段・ツールと捉えるようになり,価値あるものには惜しみなくお金を使うようになる.
- 第4段以降で,お金に対する新しい考えが生まれるかはわからないが,資産規模がさらに大きくなっても,お金に対する感謝の気持ちを忘れずに,ポジティブに向き合っていく
第1段階:お金の話題はできれば避けたいものと考える
お金がないとき,ましてや借金で純資産がマイナスの時はお金の話題はできれば避けたい,考えたくないと思うようになります.
これは,お金のことを考えると,お金が十分にないことで引け目や劣等感を覚えてしまうからですが,生きている限りお金の問題はつきまとうので,お金に対してこういうスタンスを取るのは厳しいですが現実逃避です.
私は奨学金とは名ばかりの借金と仕送りで学生時代を過ごしましたが,私の周りでは奨学金を借りている人は少数で,しかも私の奨学金と仕送りの合計よりも多くの仕送りを受けている友達も沢山いました.
そんな状態なので,学生時代はお金の話になると自分がとても惨めに感じられるので,お金の話をするのは嫌でした.
社会人になってからも,私が就職した企業の同期で学生時代に奨学金を借りていた人は圧倒的に少数で,「あぁ,同期はゼロからフレッシュにスタートできるのに,なんで俺はマイナスからのスタートなんだ……」と卑屈になりました.
同期の中には卒業祝いに100万円をもらったという話しもあり,そんな話しを聞けばますます悔しくなり,惨めになりました.
当時の私は,周りの人と比較して圧倒的にお金がなく,お金の話題でポジティブになることはないので,できるだけ避けていました.
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第2段階:お金が目的となる
借金で自分の人生の首根っこを押さえられている状態はとにかく気分が悪かったので,奨学金は社会人1年目で完済しました.
奨学金の変換完了証が送られてきた時は「やっとみんなと同じ土俵に立った!」という解放感でいっぱいでした.
トラウマとまでは言いませんが,奨学金という借金を背負ったことで私は借金に対して嫌悪感を抱くようになり,借金を負わないことが今では私の人生のモットーになりました.
さて,お金がない状態をいったん抜け出すと,
- 以前のようにお金がない状態には絶対に戻りたくない
- 将来結婚して子どもができても,自分の子どもに同じ思いはさせたくない
という思いが強くなり,そのためにお金を貯めることが目的になります.
そのため,欲しい物があっても貯蓄が何よりも優先されるので,多少の欲しさであれば我慢して諦める事が多く,わかりやすく言えばケチになります.
しかし,これまでお金に欠乏していた人が,少しお金に余裕が出てきたからと言って,次の第3段階のようにお金を手段やツールとして考えられるようになるのは難しいと思います.
お金が目的となっている期間が長いのはあまり良くないですが,子どもが反抗期を経て親のありがたみを分かるようになるのと同じように,この第2段階を経て,お金は手段だと腹落ちして第3段階に到達します.
私の場合,資産額が1,000万円になるくらいまではこの第2段階で,資産額が3,000万円になるくらいまでが第2段階から第3段階に向けてお金に対する考えが徐々に変わっていく過渡期だったように感じています.
第3段階:お金を人生を豊かにする手段・ツールと捉える
お金を貯めることが目的となってしばらくすると,ある程度まとまった貯蓄額ができあがったり,人によっては投資で増やし始めます.
こうなってくると,お金は貯めるためでは意味がなく,自分や家族の人生をよくするためにお金を使うようになります,つまり,お金を人生を豊かにするための手段やツールとして捉え始めます.
- 生活を便利にしてくれるもの
- 気持ちを豊かにしてくれるもの
- 楽しいこと,思い出に残ること
といった価値あることには,たとえ多くのお金がかかるとしても,惜しみなく使うようになります.
私にとって,家で家族とゆっくり食事をしてお酒を飲むことが最高の幸せなので,そのための環境作りには投資を惜しみませんでした.
- ダイニングテーブルとリビングテーブルはウォールナットの無垢材一枚板
- ダイニングチェアもウォールナットの無垢材
- リビングのソファはウォールナットの無垢材と牛本革カバー
とすべて合わせると200万円近くしましたが,そのおかげで食事は毎回とても充実しているので高い買い物だったと思うどころか,とてもいい買い物ができたと満足しています.
しかも,これは毎日の事でこれからも続くので,一回に得られる効用は確実に一回あたりの価格を超えています.
逆に,価値を感じないものにはびた一文払わなくなります.
これも私のケースですが,もう何年もコンビニで買物してないですし,タクシーにも乗りません.
外食も,家では作れない雰囲気の中で料理を楽しみたいからというポジティブな理由で外食しますが,料理を作るのが面倒だからというネガティブな理由で外食をすることはないです.
資産額が3,000万円から成長するに連れて,「お金は手段なので自分や家族を幸せにするためには惜しみなくお金を使う」という考えがどんどん強くなっています.
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まとめ 最終形態に向けて
よく言われるように,お金では幸せを買えませんが,お金があれば不幸を避けられるのも事実です.
現代社会に生きる限り,お金の問題とは無縁ではいられないので,お金に対してはポジティブに向き合いたいですが,そのためにはお金に対して余裕がなければいけません.
自分の心に余裕が無い時は,どうしても他人に優しく接することが難しいのと同じで,お金に余裕がないとお金に対してポジティブに向き合うことはできないので,ゆっくりでも,少しずつ資産を育て始めましょう.
今の私は第3段階で止まっていて,ここからさらに資産規模が大きくなれば,
- お金は稼ぐよりも使う方が難しいもの
- お金は増やすのではなく減らさないもの
- お金は社会や困っている人のために使うもの
等,最終形態に向けて新しい考え方が出てくるのか,それはわかりません.
ただ,バフェットがエレベーターに落ちてる1セントコインを拾って,次の100万ドルへの第一歩だと言ったとされる逸話の通り,これから資産規模がさらに大きくなっても,お金に対する感謝の気持ちを忘れずに,お金に対してポジティブに向き合っていきます.
では,また.
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