円の減価に備えて ドル,コモディティ,仮想通貨という手段
少し前ですが,『円の実効為替レートが50年ぶりの低水準』という日経の記事がありました.
名目の為替レートだけでなく,各国のインフレ率も加味すると円の購買力が50年前と同じレベルに落ち込んでいるということです.
最近の日本の劣化は目に余るので,率直に言って「だろうな」としか思いませんでした.
私はこの国の将来に不安しかないので資産を円からドルやコモディティにシフトさせていますが,今日はそれについてレポートします.
円からのシフト
率直に言って私は日本の将来について悲観しています.
ビジネス,学術研究,クリエイティブな活動と多くのフィールドで日本の競争力は著しく落ちていますし,おそらくこのトレンドは今後も続きます.
そうなれば円の競争力は低下,将来的にますます円安が進むと考えられるので,私は一年間の生活費以外はドル,金・プラチナへどんどんシフトさせています.
上の棒グラフは最近1年間の私のアセット・アロケーションですが,現金は17.6%で日本株が7.1%と,日本に関するアセットは約25%,残りの75%は米国中心の海外株式,外貨,そして金・プラチナの実物資産です.
これに加えて最近は仮想通貨も勉強し始めてその将来性についての理解が深まってきたので,仮想通貨も少しずつポートフォリオに追加していくつもりです.
円だけで資産を持つということ
若い人にはあまりいないと思いますが,投資は怖いので全額預金という人はいるもので,実際に私の知り合いでもいます.
少数派ではなく結構います,むしろ積極的に運用している方が少ないと思います.
お年寄りがこういう考えになるのはまだ分かりますが,現役世代がこういう行動を取るのは長期的には暗い将来が待っていると思います.
資産を全て預金で持つことは自分の資産を円にフルベットすることで,それは日本がこれからも世界をリードし続ける国であるというシナリオにフルベットしているのと同じです.
昨今の日本の状況,特に政治の劣化を見てこんなシナリオを思い描ける人がいるでしょうか.
もし,日本はオワコンと言いつつ投資は怖いという理由で全てを預金で持っていたら,それは言っていることとやっていることが全く矛盾しています.
少なくとも私は,昨今の状況を見て資産の大部分を日本に紐付けるのは無理です.
日本で暮らしている以上,円は必要なので必要最低限 + バッファーくらいは現金で保有しますが,それを超えた分は躊躇せず日本と紐付かないアセットに変えます.
変化の後に行動しても遅い
最近は日銀総裁も「ずっと金融緩和を続けるわけではない」と発言したり,金融政策に対するスタンスを変える布石を打ち始めたように見えますが,他の主要国が金利を引き上げる中,日本だけは引き続き金融緩和が維持される見込みです.
そうなれば金利差から円安圧力がかかりやすくなり,構造的な円安が続けば米国株投資のドル調達コストも上がり,米国株投資が高嶺の花になってしまう日が来るかもしれません.
そうなる前に米国株投資に着手して,少しずつでもドル資金が入ってくるルートを確保しておくのは大事です.
今,世界各国がロシアに課している経済制裁の影響で通過ルーブルが暴落し,昨日のBBCのニュースでロシア国民が銀行の前で為替レートを見て立ち尽くす様子が映し出されていましたが,変化が起こってからでは対処できません.
ルーブルのように,円が短期的にハードランディングするとは考えにくいですが,ソフトランディングの円安でも徐々に変化に対応する資産余力は削がれていきますし,そうなると気付いた時には手遅れになっているかもしれません.
それを少しでも避けるために今すぐ行動.
10年前から始めるのがベストだったかもしれませんが,今のベストな選択は今すぐ始めることです.
The species that survives is the one most adaptable to change.
Charles Darwin
それでは,また.
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