投資のアクセルを測るKPI
貯蓄から投資という言葉はもはや耳タコですが,日本証券業協会によると2021年末時点のNISA口座数は1,108万,日本の人口の約10%で,最近は若い人を中心にNISA口座の開設数が増加傾向ですが,投資をしている日本人はまだまだ少数派です.
私は平均以上に投資していると思うのですが,最近少し投資のアクセルをふかしすぎかもと思い,投資バランスを数字で把握したくて,それを測るKPI(Key Performance Indicator)を作ってみました.
- 投資貯蓄比率 = 年間投資額/年間貯蓄額
- 投資貯蓄比率と純資産に対する現金比率を並べて投資バランスを確認
- 長期的に目指すアセット・アロケーションから投資貯蓄比率を決めていく
投資貯蓄比率
今回作ったKPIは
投資貯蓄比率(%) = 年間投資額 / 年間貯蓄額
です.KPIと言うとなんだかすごそうですが,全然たいしたことなくてすみません.たとえば,年間貯蓄が50万円で,年間投資がつみたてNISAの40万円だとしたら投資貯蓄比率は80%(=40万円/50万円)となります.
上の折れ線グラフは2013年からの投資貯蓄比率です.2022年は6月までの半年分で計算しています.また,棒グラフは純資産に占める現金預金比率です.
グラフから,2019年以降かなり積極的に投資をしているのがわかります.2019年から2022年の投資貯蓄比率の平均は170%で,たとえば年間貯蓄が100万円の場合,170万円の投資を意味します.最近ちょっと投資スピードがオーバーな気がしていましたが,やはりその感覚は正しくて,2019年以降はトップギアで走り続けていました.
現金比率と並べてみる
2019年以降,貯蓄の2倍弱を毎年投資してきたわけですが,もちろん,借金での投資ではありません.先程のグラフには現金預金比率が棒グラフで示されていますが,これを投資貯蓄比率と並べると積極投資の背景がわかります.
2018年末では43%あった現金比率ですが,それが43% -> 32% -> 22% -> 18% -> 16% と年々かなりのスピードで減っていて,それまで積み上がっていた現金を取り崩して投資に振り向けて来たのがわかります.
今はインフレが進行しているので極力現金預金比率を下げたいのですが,かといってゼロになるとゲームオーバーなので,今年は現金比率を13%くらいで落ち着けようと思っています.そうなると,ここ数年やってきたような積極投資はちょっとお休みして,今年の投資貯蓄比率は125%くらいを保つことになりそうです.
今の私のアセット・アロケーションはかなり理想形に近いですが,ここにたどり着くまでに数年かかりました.その気になれば数ヶ月で理想のアセット・アロケーションを作ることもできますが,短期間でアセット・アロケーションを大きく変えるのはかなりリスクが大きいです.そのため,中長期で目指すアセット・アロケーションを決め,そこに向かって投資貯蓄比率をどうやってマネージするかが大事になってきます.
まとめ
投資貯蓄比率というKPIを考えてみましたが,これを現金預金比率と一緒に並べることで,投資バランスや長期的な方向性に向かって正しく進んでいるかがよくわかります.
今回のように,個別には見ているけど一緒に並べることで新しい発見がある指標というものがまだまだ他にもあるかもしれませんし,それが見つかればこれからの資産運用や投資にも役立ちそうです.色々と妄想を膨らませながら面白い組み合わせを考えていくつもりです.
では,また.
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