米国株ではNISAで高配当株はダメ!狙うは低配当株かADR
高配当株をNISAで買って配当にかかる税金を減らすのはNISAをお得に使うセオリーで,確かにこれは日本株には当てはまります.
しかし,米国株にはこれは必ずしも当てはまらず,NISAではむしろ配当の少ない米国株銘柄を買ったほうがいいこともありますし,実際私はNISAでの高配当米国株を買わないようにしています.
どういうことか.
この記事で説明します.
外国税額控除という存在
NISAでの米国株投資を難しくしているのが外国税額控除で,これは外国株における二重課税を調整する仕組みです.
例えば,米国株の配当ではまず米国所得税の10%が課され,そこにさらに日本の税金が課されており,実際の計算式は
1 × (1 – 10%) × (1 – 20.315%) = 71.7%
となり,二重課税で合計約30%も税金が課されていることになります.
これを調整するために,
外国税額控除の限度額=その年分の所得税額 ×(その年分の調整国外所得金額/その年分の所得総額)
を限度として外国所得税額を差し引くことができますが,NISAで買った株にはこれを適用できません.
なので,外国税額控除をフルに利用するためにNISAで配当バックは狙わないというのが私の戦略です.
NISAで買うべき米国株
では,NISAでどんな米国株を買うべきか.
私は
- 低配当株
- 所得税のない国のADR
の2つだと考えています.
低配当株 or 無配株
NISAで米国株を買う場合,狙うべきはキャピタルゲインにかかる税金を非課税にすることです.
そのためには,利益を配当に回すのではなく,内部留保に回したり自社株買いに充てている企業の方が将来的に株価が上る可能性が高くなります.
そのため,利益をしっかりと出しつつも配当利回り1%以下に抑えているような銘柄はNISAで買うにはいいと思います.
実際私はNISAで配当利回り約0.8%のNIKE株を買いましたが,株価は3倍近くになっています.
まだNISA期限はしばらく先ですが,今の株価が続いていれば是非今の株価のまま特定口座に移したいです.
配当非課税国のADR
ADR: American Depositary Receipt は米国預託証券といいます.
これは,米国以外の国で設立された企業が発行した株式を裏づけとして米国で発行される有価証券で,ADRの配当にかかる税金は米国の税金ではなく,上場している現地の税金がかかります.
そのため,イギリスのように配当に所得税がかからない国のADRを日本で買うと,海外での所得税がゼロ,かかるのは日本での税金のみとなり,日本株と同じような扱いになります.
海外での所得税がゼロなら外国税額控除の対象にはならないので,NISAで買った方が得です.
私はユニリーバの英国ADRをNISAで買っていて,上記のようにかかる税金はゼロです.
配当が振り込まれるたび,非課税であることにホクホクしています.
まとめ
以上,NISAで米国株を買う時は
- 高配当株を狙わない
- 買うなら低配当株 or 無配株
- 配当に所得税のかからない国のADR
を念頭に入れると,NISAの効果を最大限引き出せる確率が上がると思います.
米国株投資の参考になれば嬉しいですし,もし私の考えに誤りがあった場合,指摘してもらえるとありがたいです.
それでは,また.
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません