投資の成否は知行合一がカギ 偉大な投資家の教えを行動に落とし込む
知行合一:知識と行為は一体であり、本当の知は実践を伴わなければならない,
という四字熟語がありますが,投資もこれと同じで,バフェットやハワード・マークスのような賢人の言葉をストックして満足しているだけではダメで,それを
- 自分に当てはめてしみじみして
- その上で自分なりの投資哲学や価値観を作り
- 行動に落とし込むまで昇華する
という次元になってやっとスタートラインに立てるレベルだと認識しています.
短期のイベントへの過剰反応は知行合一できていない証拠
今回の石破政権発足に伴い,石破さんの政策を不安視してマーケットが不安定になっていて,特に総裁選当日は,マーケットが閉じた後に総裁選の結果が判明したため,日経先物が一時2,000円超下落するなど,8月始めのパニック再来を彷彿とさせました.
使っている言葉や表現は異なるものの,バフェットはこれまで何度も「マーケットの短期の動きは無視しろ,大事なのは長期のバリューだ」という旨の発言をしていますが,8月も含めたマーケットの動きは,市場参加者の多くがバフェットの金言を知行合一にまで昇華できていないことの表れだと思います.
たしかに,石破さんが総裁選の時に掲げていた法人税率アップや金融所得課税の強化などが今後どうなるかは注視が必要ですが,今回の件で自分の投資している企業のブランドに傷がついた訳ではないので,売却は全く考えていません.
また,政策に不安があるから今後の投資をやめるかと聞かれてもその選択肢は私にはありません.
仮に法人税率がアップして企業業績に悪影響が出たり,金融所得課税が強化されたとしても,現金を積み上げるインセンティブは働かず,これからも淡々と投資を継続するだけです.
知行合一する対象を見極める
ちょっと長いですが,『株主への手紙(2013年)』のバフェットの言葉を引用します.
他の投資家が衝動的,時に非合理的に行動しているのを見て,同じように非合理的な振る舞いに屈してしまう投資家が多い.
なぜなら,マーケットや経済全体,金利,株価の変動などに関する話しがあまりに沢山流布しており,そのような「専門家」達の言っていることに耳を傾けることが大事―さらに悪いのは彼らの主張を考慮した上で行動すべきだ―と信じてしまう投資家がいるからだ.
注:専門家の「」は私がつけました.バフェットは原文でpunditという単語を使っていて,この単語はしばしば皮肉を込めて使われますが,バフェットの「専門家」嫌いは有名なので,おそらく皮肉を込めてpunditを使っているというのが私の解釈です.
ジェットコースターのように不安と熱狂を煽り立てるメディアは投資判断をする上で控えめに言って無用,はっきり言って害悪だと思っていて,こうした情報に日々反応していて,それに知行合一してしまっては投資での成功は恐らく無理でしょうから,知行合一にまで落とし込むイデオロギーは質の良いものでなければいけません.
その点,バフェットやハワード・マークスのメッセージは時の試練を乗り越えてきた,この上なく洗練された至高の教えですので,それを土台に自分の投資哲学や価値観を作ろうと日々精進する今日この頃です.
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