投資の成果は時間が連れてくる
最近の下落相場ですっかり下火になりましたが,去年までのブルマーケットでレバナスだ,キャピタルゲインだというトレンドが強まると,長期投資家のマインドもそっちに引っ張られがちです.
でもそんな時こそ,長期投資家はそういうノイズをシャットダウンして,年単位の長い目で投資成果を見なければいけません.
長期投資家は時間を味方につけるという基本に立ち返るために,時間の効果を振り返ってみます.
P&Gの長期投資
P&Gは私のポートフォリオの最古参ですが,データは次のようになっています.
- 取得単価:64.3ドル(2010年)
- 現在の株価:148.7ドル(2022年5月31日)
- キャピタルゲイン:84.4ドル(+131.4%)
- 配当(税引き後):19.7ドル(+30.6%)
- トータルリターン:104.1ドル(161.9%)
ここでキーになるのが配当で,これがバッファーとして機能しています.
配当の19.7ドルは実現済みなので,仮にP&Gの株価が44.6ドル(=64.3-19.7)になるまではリターンが出ます.
44.6ドルと言えば,現在の株価から70%下落というレベルです.
P&Gの現在のPERが24.7で,生活必需品セクターという安定性を考えると70%の下落は考えにくく,多少の値下がりでも安心してガチホできます.
しかも,2010年はドル円相場が80円だったので,円換算したらトータルリターンは200%を超えています.
これを可能にしてくれたのは,配当と株価の両方に複利効果が12年間働いてくれたおかげで,盤石な状態を作ってくれました.
P&Gは素晴らしい会社ですが,おそらくこれは2, 3年という期間では実現できず,時間が連れてきてくれたと思っています.
P&Gの投資時間を更に伸ばしてみる
これが将来的にどうなるか,時間のスパンをさらに広げてみます.
P&Gは連続増配期間が60年を超える配当王銘柄として有名ですが,私が保有している期間は年間平均+5.1%の増配で,このペースが今後続いた時の累計配当シュミレーションが下の棒グラフです.
順調に累計配当が伸びていき,2030年には60ドルを超えて投資額の90%以上を配当で回収できる計画です.
配当王銘柄でも配当が将来的に保証されているわけではないので夢物語かもしれませんが,私は夢でもいいと思っています.
大事なのはこのシュミレーションが投資のモチベーションになって,少しでも早く投資をするきっかけになることです.
最後に
投資をやっているとどうしても短期的なキャピタルゲインを狙いたくなる時もありますが,投資のリターンは狙いに行くものでなく時間が知らない間に連れてきてくれている,そんなスタンスでこれからも投資を続けていれば,自分でも想像できなかったところにたどり着くことができるかもしれません.
それでは,また.
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