統計学を学ぶには「赤本」がいい
今もそうなのかは知りませんが,少し前に統計学がブームになりましたね.
ビッグデータの分析やAIと絡めて,統計学ができればビジネスに役に立つ,みたいなやつです.
その数年前には数学でした.
数学ができると論理的思考ができるようになって,ビジネスに役に立つ,みたいかなり無理のある理由でしたが.
さて,今日は統計学の学び方について書いてみます.
まず,統計学を勉強するには数学が必要です,絶対必要です.
少なくとも微積と線形は必須です.
巷では,「数式不要の統計学」とか「数学ができなくてもわかる統計学」みたいなのがありますが,残念ながらそれでは触りしか理解できず,統計学をツールとして使いこなすのは無理です.
もう一度言います,統計学をツールとして使いこなせるためには,数学は絶対に必要です.
最近は様々な統計解析ソフトが出てきており,
「なんだかよくわからないけどソフトにデータを放り込めばそれらしい分析してくれるからそれを使えばOK」
みたいな人が増えているそうです.
ビジネスだけでなく,論文など,学術的な場面でもそのような人が増えているといいますから,恐ろしいですね.
そういう人たちは,統計分析を理解している人から間違いや不十分さを指摘された時になんと答えるのでしょうか.
「あう,あう,あう.だってソフトにデータ入れたらこの結果が出てきたんだもん,あう,あう.」
とオットセイみたいに答えるのでしょうか.
こんな情けないことにならないために,統計学を勉強する人はまず数学からやりましょう.
そして,数学で微積と線形を一通り終えた後,統計学を勉強するのにオススメの本は「赤本」です.
これは,大学受験の時に使ったであろうあの赤本ではなく,東京大学出版会の『統計学入門』です.カバーが赤いので通称「赤本」と呼ばれています.
余談ですが,私も受験で赤本を使いましたが,あの解説は使い物にならないですね.
赤本は,あくまでも大学がどういう傾向の問題を出してくるかを把握するにとどめ,解説はほとんど読みませんでした.
後世の受験生のために,ぜひ改善を望みます….
この本は統計学に関する理論的な内容を厳密に説明しています.
なので,当然数式も多用されており,一般的にはとっつきにくい本だと思います.
そして,この本を読むには数学の知識が必要です.
しかし,この本に書かれている内容を理解しないまま,統計分析をソフトに任せっきりにしているのは,ナイフとフォークの使い方も知らずにコース料理を食べているようなものです(うまい例えではありませんが…).
私は,一読した後に辞書代わりとして今でもこの本を使っています.
また,章末問題も結構充実しているので,章末問題をRを使って解くと,統計学の勉強とRの練習の両方ができておすすめです.
ぜひ,統計学の知識を身に着けて,面白い洞察を導き出した時は,テンション上がります.
「オラ,面白いこと思いついてワクワクすっぞ」
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