【徹底比較】米国株二大投信,おすすめは?楽天VTI vs eMAXIS Slim 米国株式
私はSBI証券がメイン口座ですが,楽天カードでの投信積立ができるので楽天証券も併用しています.その楽天証券では,楽天VTI(正式名称:楽天・全米株式インデックス・ファンド)とeMAXIS Slim 米国株式の2つが米国株投信の人気トップ2ですが,どっちがいいのか迷うのも事実です.
この記事では,それぞれの違いと私が実践している内容も踏まえてどっちがおすすめかを説明します.
想定読者 1)楽天証券で米国株投資を始めたいが,楽天VTIとeMAXIS Slim 米国株式のどっちを買うか迷っている人 2)すでに楽天証券で楽天VTIを買っているが,eMAXIS Slim 米国株式に乗り換えを考えている人(あるいはその逆)
投資対象:楽天VTIは3500社,eMAXIS Slim米国株式はS&P 500社
純資産総額:規模も伸びもeMAXIS Slim 米国株式がリード
管理費用はeMAXIS Slim米国株式の方が安く,20年の累計コスト差は約6~8万円
どちらも分散効果は充分なので,筆者は確実にコストが下がるeMAXIS Slim米国株式に移行
楽天VTIとeMAXIS Slim 米国株式の違い
次の表は楽天VTIとeMAXIS Slim 米国株式を比較したものです.
楽天VTI | eMAXIS Slim 米国株式 | |
運用会社 | 楽天投信投資顧問 | 三菱UFJ国際投信 |
投資対象 | VTI(約3500社) | S&P500(500社) |
直近1年間のパフォーマンス | +43.1% | +44.4% |
純資産総額 (一年前からの増加率) | 4,342億円(+170.4%) | 8,392億円(+313.2%) |
管理費用 | 0.162% | 0.0968% |
まず違うのは投資対象です.eMAXIS Slim 米国株式がS&P500の500社が投資対象に対して楽天VTIはVTIを投資対象としています.VTIは米国株式市場全体を投資対象としていて,3500以上の銘柄を保有しているので楽天VTIの方が幅広くカバーしています.
純資産総額は両方とも規模としては充分かつ,この一年で資金が流入していますが,規模でも伸びでもeMAXIS Slim 米国株式に軍配が上がります.
そして一番の注目は管理費用の違いです.楽天VTIも0.162%とかなり低く抑えられていますが,eMAXIS Slim 米国株式は0.0968%と楽天VTIよりも0.0652ポイント低く抑えられています.
たかが0.0652ポイントと侮るのは禁物です.コストは投資の中で投資家がコントロールできる数少ないパラメータなので,コストには徹底的にこだわるべきです.
累計コストの差
つみたてNISAで毎年40万円を20年間投資した場合を考えてみます.20年間の累計では楽天VTIとeMAXIS Slim 米国株式ではどれくらいコストが変わってくるのでしょうか.
まずは両方とも毎年3%のパフォーマンスを出すと仮定した場合,それぞれの累計コストは
- 楽天VTI:165,812円
- eMAXIS Slim 米国株式:99,078円
となり,その差は66,734円です.この差はパフォーマンスが大きくなるほど開き,5%のパフォーマンスの場合は
- 楽天VTI:190,762円
- eMAXIS Slim 米国株式:113,986円
で差は76,776円となります.
これを多いと見るか,それとも20年でこれくらいなら許容範囲と感じるかは人それぞれですが,私はこの差は大きいと感じるのでコストを下げる選択をします.小さな差も長期で見るとボディーブローの如くジワジワ効いてくるので,たかが小さな差と侮らず,シュミレーションしてみることが大切です.
結論
楽天VTIは幅広い銘柄に投資しているので小型株など大化けするポテンシャルを秘めた銘柄をカバーしやすく,その点で楽天VTIは成長をより取り込みやすいと言えます.一方のeMAXIS Slim 米国株式はS&P500で充分分散化されていますので,その上でコストを抑えた運用が可能です.
私のケース
以前は楽天VTIを買っていましたが,eMAXIS Slim 米国株式が楽天証券で買えるようになってからはeMAXIS Slim 米国株式に切り替えています.その理由は
- 楽天VTIの方が約3,500社と幅広く投資していて成長を取り込みやすいが,S&P500でも充分に分散化されていて,分散効果はサチっている.両者に分散効果の大きな差はない.
- パフォーマンスは保証されないがコストは固定なので,確実にコストを減らせる方が望ましい
と考えたからで,今ではeMAXIS Slim 米国株式の方が大きなポーションを占めるようになりました.
私はeMAXIS Slim 米国株式を選んでいますが,どちらもいい金融商品なのは間違いありません.他の投資信託で迷うくらいなら,このどちらかを買えば間違いないと思いますので,両者の違いを理解した上で自分のニーズに照らし合わせて買うことがポイントになります.
それでは,また.
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