投資で成功するための4つの共通要素を一流投資家に学ぶ

投資

今,Amazon Kindleで"Richer, Wiser, Happier: How the World’s Greatest Investors Win in Markets and Life"という本を読んでいて,まだ半分くらいなのですが,とてもいいことが書いてある本なので紹介します.

この本は『一流投資家が人生で一番大切にしていること』というタイトルで邦訳版が最近出版されましたが,3,000円以上,Kindle版でも約2,800円とちょっとお高いですが,原書版だとKindleで約1,200円と半額以下で買えるのでおすすめです.

投資で成功するための4つの要素

投資で成功するための4つの要素
Image by Albrecht Fietz from Pixabay

この本ではチャーリー・マンガーやハワード・マークス,ジョン・テンプルトンなどの超一流投資家へのインタビューを通じて投資で成功するための秘訣を探っていくもので,すべての投資家にとって垂涎の的となる本です.

チャーリー・マンガーと言えばウォーレン・バフェットの長きにわたる相棒として有名ですが,私はこの本以上にチャーリー・マンガーに対して深く書かれている本を知らないので,それだけでもこの本は買いでした.

この本を読んで,投資家として成功するための要素を4つにまとめました.

  1. 辛抱強いこと
  2. 短期間で儲けを狙わず,長期投資に取り組むこと
  3. 盤石な(しなやかな)ポートフォリオを組むこと
  4. 謙虚であること

それぞれを深掘りしていきます.

辛抱強いこと

一流投資家は高値でマーケットに参加すると壊滅的なロスをもたらすことを知っているので,自分が納得できる価格になるまでは絶対にエントリーしません

バフェットが「絶好の球が来るまで何回ストライクになったって構わない」と言うように,適切な投資タイミングだと思わなければ2年でも3年でも,場合によっては5年以上待ちます.

我々個人投資家はマーケットが活況になってくるとFOMO(Fear of Missing Out)に駆り立てられて,この絶好のタイミングを逃したくない!と思ってエントリーしてしまいがちですが,一流投資家はFOMOに駆り立てられることなく,何年でも適切なタイミングを待ちます.

サイクルの底でパニック売りしてしまうのは投資家が一番やっては行けない行為ですが,サイクルのピーク近くで慌てて買いに入るのもそれと同じくらいやってはいけないことです.

短期間で儲けを狙わない

一流投資家は短期間で儲けようという意識が全くありません.

複利の威力を知っているので,複利を味方につけてマーケットに参加し続けて長期でリターンを狙うのが一流投資家に共通した手法です.

複利を敵に回すことになるので,負債を持たずにレバレッジをかけないというのも共通しています.

レバレッジと言えば,最近不動産投資が人気だからか,本やYoutubeで最近やたらとレバレッジが推奨されていますが,これは危険だと思います.

レバレッジを推奨する本や動画で共通しているのは,少ない元手で大きなリターンを狙うための手段としてレバレッジを紹介している点です.

たしかに,レバレッジでは大きなリターンを狙える可能性・・・はありますが,レバレッジ推奨の主張の多くが成功を前提にしたレバレッジなのが不思議で仕方ありません.

私はレバレッジとはリターンもロスもブーストさせるものと認識していますので,かりにレバレッジをかけてコケたら最悪ゲームオーバーになる危険なものだと思っているので手を出しません.

レバレッジ推奨派に乗せられてローンを組んだものの,投資やビジネスが上手く行かずにゲームオーバーになっても,投資は自己責任の一言で片付けられて,レバレッジを推奨していた当の本人たちは絶対に責任を取ってくれませんからね.

バフェットがとあるインタビューで

「あなたの投資スタイルはとてもシンプルで誰にでも出来そうですが,どうしてこんなにも多くの投資家が損失に苦しんでいるのでしょうか?」

と聞かれた時に

「そんなの簡単だよ.みんなあまりに早く金持ちになりたがるからだ」

と言ったとされていますが,早くお金持ちになろうとするとどこかで足元を掬われます.

盤石な(しなやかな)ポートフォリオ

一流の投資家が大事にしているのは市場に勝って圧倒的なパフォーマンスを叩き出すことではありません.

彼らはどんな変化や状況にも耐えうるしなやかで盤石なポートフォリオを構築することに腐心しています(原書ではresilientと表現されていたがピッタリ合う日本語を探すのが難しい…).

そのために常にある程度のキャッシュを手元に残して流動性を確保しながら,資産クラス,国,通貨,セクター(業種)など,あらゆるレベルで資産を分散投資させています.

一流投資家にとって資産を一極集中させることはもはや禁じ手レベルですが,残念ながら多くの日本人がこれをやっています.

たいした資産がないにもかかわらず,頭金も入れずに住宅ローンでマイホームを買うのがまさにこれで,日本という国,日本円という通貨,不動産というアセットクラスに偏り過ぎたポートフォリオの完成です.

しかも住宅ローンでレバレッジをかけているので,状況がうまく行っているときはいいですが,歯車が逆回転し始めると一気にキツくなります.

私は,資産が億レベルですでに分散投資が出来ている人が,さらに分散投資を進めるために不動産投資をするのはとても意味があると思いますが,投資という観点からすると,日本人の多くはマイホームを買う段階にはないと思っています.

謙虚

自分の学んできたことや経験してきたことをフル活用して投資に臨んでいるが,それでも未来は不確実で予測不可能だと一流投資家は認めていて,だからこそどんな状況もかいくぐれるような盤石でしなやかな(resilientな)ポートフォリオを組んでいます.

これを読んでて思ったのが,住宅ローンを変動金利で組んでいる人が

「金利は上がらないので大丈夫」

と言っているのは,そういう謙虚さと対局的なスタンスだということです.

将来金利がいつ,どれだけ上がるかは誰にもわからないのに,そういう人たちは上がった時の対策をしていないがために,金利上昇という自分に都合の悪いことを考えないようにしているとしか思えません.

「金利は上がらないので大丈夫」と言っているのは単にそう思い込みたいだけにしか映りませんし,そういう心構えでは投資で成功するのは夢のまた夢だと思いました.


まだ半分読んだだけですが新しい学びや気付きがたくさんありました.

また,自分がうまく言語化出来ていなかった考えを言語化してくれていて考えをまとめるのにもいい本です.


では,また.

Posted by Econ