オルカンは分けて考える!インデックスを分解してポートフォリオの課題を解く

2024年6月15日投資分散投資

新NISAでオルカンを積み立てている人は多いと思いますが,オルカンをはじめ,インデックスファンドやインデックスETFをブレイクダウンすると色々な課題が見えてくるよ,というお話です.

私は数年前から,それまでメインだった個別株からインデックスファンド・ETFへの投資をメインに切り替え,今はインデックス60%,個別株40%という割合でインデックスがメジャーにになっていて,保有額の大きいものでは

  • VTI
  • VYM
  • VT
  • オルカン(eMAXIS Slim 全世界株式)

などを保有しています.

月に一回のポートフォリオのチェックでは,株式を

  • 米国株
  • 日本株
  • 世界株
  • 先進国株
  • 新興国株

の5つにカテゴライズしてモニタリングいるのですが,下の円グラフからもわかるように,米国株に偏ってしまっているので,これを3~5年以内の中期でバランス化させていくのが課題です.

インデックス分解前のポートフォリオの地域別割合

最近はつみたて投資枠でのオルカン買い付けが中心で,世界株のポーションが増えて少しずつバランス化が進んできたと思っていたのですが,オルカンの60%は米国株ですし,「世界株」というカテゴリーはあまりにざっくりしています.

資産規模も育ってきたことで,資産を増やす段階から守るフェーズに移行していくことも意識し始め,もう少し詳細にポートフォリオを見たほうがいいかもと思い,保有しているインデックスファンド・ETFを分解してポートフォリオを捉えることにしました.

インデックスファンドを地域とセクターに分解する

目論見書などを調べるとインデックスやインデックスETFは投資地域とセクターが公表されています.

たとえばオルカンの投資地域と投資セクターの組入比率は下の円グラフのようになっています.

左:オルカンの投資地域組入割合 右:投資セクター割合

これを他のインデックスでも調べて,それぞれの割合を保有額にかけることで,それぞれの地域とセクターへの投資額を理論的に計算できます.

インデックスを分解したポートフォリオの投資地域割合

私はインデックスファンド・ETFを合計で15個保有しており,それぞれ分解するのに手間がかかりましたが,世界株,先進国株,新興国株で一括りにしていたインデックスを国単位で分解して,主要地域ごとに集計したのが下の円グラフです.

インデックス分解後のポートフォリオの地域別割合

…もう完全にやらかしてますね,東京への一極集中が可愛く思えるくらい,米国に偏っています.

オルカンやVTでは米国の割合が60%を超えているので,「世界株」で括られていたものの半分以上が米国だった感じです.

新興国インデックスやVXUSなど,米国が含まれていないインデックスも保有しているものの,保有額がオルカンなどに比べると少ないため,米国株の割合を薄める働きはありませんでした.

2020年以降,資産が成長してきたのは米国株への集中と円安というダブル効果が大きかったと思いますが,資産規模も育ってきた今,バランス化を実行しなければいけないフェーズに来ています.

円の利上げ・ドルの利下げに伴って今の円安が是正されたら,今保有しているドル建てMMFをどの銘柄に振り向けようかと候補リストも作っていたのですが,地域バランスを考えたらVXUS(米国を除くオルカンのようなもの)に全振りという案もアリかもしれません.

また,現在保有している以外に日本株には投資をしない方針だったのですが,日本の個別株投資も考えた方がいいのかもしれません.

いずれにせよ,世界のマーケットの時価総額比率を考えても,米国85%は偏りすぎなので,3~5年以内に米国割合を60%くらいまでに落とす,具体的には下のような円グラフを目指します.

3~5年で目指す地域別割合

インデックスを分解したセクター投資割合

地域の分散も大事ですが,セクターの分散も見ておきます.

インデックスファンドやインデックスETFは地域割合だけでなく,セクター割合も公開しているので,それを元に集計したポートフォリオのセクター割合が下の円グラフです.

ポートフォリオのセクター割合

地域割合は偏りがひどかったですが,セクターはきれいに分散化できていました.

個別株で見るとP&G(PG)やコカ・コーラ(KO)などの生活必需品セクターが多いのですが,

  • VTIの保有額が大きい
  • QQQやVGTなど,テクノロジーが厚いETFを保有

などから,生活必需品以外のセクターが伸びてきれいにバランス化できています.

欲を言えば,生活必需品をもう少し減らして,エネルギー,素材を増やしたいと思っているのですが,私が保有しているものだとVWOが

  • 投資対象は新興国
  • セクター割合は生活必需品に比べるとエネルギーが高い

ので,上記のVXUSだけでなく,VWOも厚めにしていくのもアリかもしれません.


以上,インデックスという括りで考えると,確かに楽かもしれないけど,インデックスを分解すると,ポートフォリオの新しい課題が見つかるかもよ,というお話でした.

オルカンを止めることはしませんが,ドル建てMMFを将来的に取り崩して何に振り分けるかというのは,米国株を外したほうがいいかもと気付けたのは良かったです.


では,また.

Posted by Econ