VIX 投資家の不安を利用してリターンを稼ぐための指標
旅行にでかけたり実家に帰ったりしていたために更新できておりませんでした.
ここ数日は少し落ち着きを取り戻しつつありますが,先週からまた世界的に株式市場に不透明感が増してきています.
一番大きいのは米中貿易摩擦とそれに伴う企業業績悪化懸念ですが,その他にも香港デモの長期化もあり,リスクオフの姿勢が強くなりつつあります.
また,米国,ドイツ,フランス,イタリア,スペインといったヨーロッパ先進国における購買担当者景気指数は低迷しており,米国ではレイオフが急増するなど,実際の指標面でも,世界的な景気下降局面に入ったと考えられ,リスクオフの姿勢が広まっています.
投資家の心理状態についてはよくメディアでも書かれますが,数値でどのように変わってきているかを指摘していることはあまりありません.
しかし,ある指標を参考にすることで投資家がどれだけ不安を感じているのかを定量的に測ることができます.
その指標はVIX (CBOE Volatility Index)で,日本語では恐怖指数と訳されたりします.
VIXはS&P500を対象としたオプションの価格を相対的に表したもので,投資家の不安が高まるほど,VIXの値も上がります.
下のグラフは今年に入ってからのVIXの動きを示しています.
VIXは40を超えると危険水域と言われています.今年に入ってまだその水準に行ってしまったことはありませんが,年始は昨年末の下落を引きずって引き続き高い状態が続いており,また8月の初めにVIXが急上昇しているのがよくわかります.
この時期は投資家の不安心理が高まっている時期であり,VIXの動きはそれとしっかり連動しています.
VIXが特に高い年初と8月以外もよく見てみると面白い気付きがあります.
まず,VIXは年始に25と高い状態で始まりましたが,その後は落ち着いて5月頃まで低下の一途を辿っています.この間,市場は好調でした.逆に言うと,この間,市場は過大評価されていて逆張り投資家である私には投資するチャンスがなくかなりフラストレーションの溜まる時期でした.
私が今年初の投資をしたのは5月末でしたが,グラフで言うとVIXが20前後に上昇している時期でした.
投資した時は
「VIXが上がってきたからそろそろ投資時期だ」とは考えず,「相場の割高感が解消されてきたのでこの水準なら投資してもOK」と考えていました.
しかし,こうしてVIXを振り返ってみると,当時VIXを見ても同じような判断をしていたと思います.
VIXが上がってきていたら投資,とはなりませんが,相場の割高感を測る指標としてVIXは役に立つと思います.
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