全員にとっての家の買い時なんてないと思う
最近は僅かながら上昇傾向にありますが,まだまだ低い日本の金利.その状況を受けて,「今こそ家の買い時!!」のような宣伝文句を本当によく見ます.でも,果たして本当にそうか?と最近よく思います.
あっ,因みにマンションのモデルルーム見学行って不動産会社の営業マンに「今って,家の買い時ですかね?」なんて間違っても聞いてはいけません.それは床屋に「僕の髪,伸びてますか?髪,切った方がいいですか?」と聞くのと同じです.「はい,間違いなく今は家を買う最高のタイミングですよ!!」と言われるのがオチです.
確かに,金利が低い状況でお金を借りられれば,短期的には有利です.でも,今の低すぎる金利はこれ以上下がることは考えにくく,中長期的には金利上昇のリスクがくすぶります.それまでに借入元本を減らして金利が上昇しても負担が増えないようにできていればいいのですが,それまでに借入元本が減っていなければ金利上昇に伴い,月々の返済負担は増えます.
果たして,こうなった時でも返し続けられるように返済計画を立てている人はどれ位いるのでしょうか.私はローンを申し込んだことがなく,銀行とどのような話がされるのかはわかりません.銀行の営業マンが将来金利が上昇した時のリスクを含めてアドバイスをしてくれるならいいですが,「金利が大きく上昇することは日本では考えにくいので,中長期的にも今の金利が続くと思いますよ」なんて言われて,短期的なことしか考えずに借りている人もいるのではないでしょうか.こうした人達が後々返済に苦労して「銀行は晴れの時に傘を貸して雨の時に取り上げる」なんて言っても,それは責任放棄でしかありません.
また,今は極度にカネ余りの状況のため,銀行も何とかして金を貸したがっています.こんな状況ですから,本来は金を借りる資格のない人や企業にも金が貸し付けられています.例えるなら,お金という水がいっぱいのプールの中にはしっかりと海パンを履いて泳いでいる人もいれば裸で泳いでいる人もいる状況です.今はプールに水がたっぷりなのでいいかもしれませんが,水が引いた時,裸で泳いでいた人が誰かわかります.裸で泳いでいた人が多いと,リーマンショックのような状況が再来します.
しかも厄介なのは,今の経済はリーマンショックがあった10年前よりもさらに負債依存の状況が強まっている点です.一度危機が起きればそのインパクトはリーマンショック以上だと言われています.不謹慎かもしれませんが,このような危機が起きて,返済ができなくなった多くの人が家を手放さざるを得なくなって家がバンバン売りに出され,しかも銀行もお金を貸してくれないような状況下で,キャッシュで家を買うというのが最高のタイミングだと思っています.
私は絶対にプールには入りません.つまり家を買うためのお金は借りません.これに関してだけは外野を貫きます.家を買うとしたら,いつでも返済できるように,家と同じ金額のキャッシュをまず確保します.そして住宅ローン減税の恩恵を受けるための最大限のローンを受け,減税期間が終わったら一括返済です.これが出来なければ,自分の中では家を買う準備ができたとは言えません.
あまりに厳しすぎる基準かもしれませんが,私には妻と子どもを路頭に迷わせないという使命があるので,この基準は厳守します.
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