資産1億円は富裕層じゃない お金持ちピラミッドを離れて新しい資産家ランクを捉え直し

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野村総合研究所の金融資産ピラミッド(以下,お金持ちピラミッド)には長らくお世話になりましたが,厳しい言い方ではあるものの「もはや使い物にならなくなった」と感じています.

さらに言えば,定義が実態とマッチしていないことを鑑みると「有用でない」ではなく,それにこだわるのはむしろ「危険である」とすら感じ始め,資産家ランク基準の捉え直してみました.

お金持ちピラミッドの限界

お金持ちピラミッドの定義で見れば,富裕層にタッチできそうな所にまで来ました.

富裕層へのカウントダウンが始まり胸が高鳴る一方で,プールの浮き輪を掴むように,なんか軸のないものを拠り所にしているのでは,というモヤモヤがありましたが,円安が進んで160円を突破し,かつこの円安は構造的なものだと考えるようになってから,円を基準にしたお金持ちピラミッドは制度の限界が来たと考えています.

資産1億円は富裕層ではない

まだ富裕層に達していないのに偉そうにいうなというお叱りを受けそうですが,1億円は日本では大きなマイルストーンかもしれませんが,グローバル基準では1億円はもはやお金持ちとはとても言えません.

直近(2024年9月21日)のドル円レートの約144円では,1億円は約70万ドルですが,ミリオネア(millionaire)という言葉からも,やはり100万ドル,日本円で1.5億円程度はないと富裕層は名乗れないと思います.

また,Dave RamseyのPodcastを聞いているとアメリカでは年収12万ドル,15万ドルという家計もレアではありませんし,そういう家計にとって1億円は年収の5, 6倍というレベル感,残念ながら世界の収入に目を向けてみると1億円とはそんなレベルです.

そのレベルに到達して富裕層になったと狂喜乱舞するのは,まさに「極東の或る男,世界を知らず」で,恥ずかしさと共に虚しさを感じます.

金融資産額だけでのカテゴライズ

これは多くの人が指摘していますが,お金持ちピラミッドは純金融資産のみに着目していて,総(グロス)ではなく純(ネット)に着目するのはその通りですが,金融資産だけに着目するのはミスリードを引き起こします.

たとえば

  • 金融資産は預貯金の1,000万円のみ
  • 港区にマンション1棟を保有(ローンなし)
  • 年間の家賃収入は5,000万円

というケースは,誰もが羨む富裕層ですが,定義上は一番下のマス層となり,関西人でない私でも「そんなアホな」と思わずツッコみます.

定義上,私の方が準富裕層で上にカテゴライズされていますが,生活の余裕度は雲泥の差で,実態をひどく歪めたカテゴリー分けと言わざるを得ません.

資産家ランクの捉え直し

お金持ちピラミッドはもはや限界が来たので,下の表のようにストック(純資産)とフロー(ストック収入)の観点から資産家のランクを捉え直してみました.

資産家ランク判断表:ストックとフローのうち低い方を資産家ランクとして採用する
  • ランクD:7,500万円 → 50万ドル
  • ランクB:1.5億円 → 100万ドル
  • ランクA:3億円 → 200万ドル

でお分かりかもしれませんが,ドル円レートは150円を想定しています.

ランクCの1億円は,ドルではあまり区切りのいい数字ではないものの,円では桁が変わるマイルストーンなので,ここも境として取り込みました.

私の人生のテーマである経済的自立には,ストック(純資産)とフロー(ストック収入:不労所得)のバランスが大事なので,ランクを決める際は,ストックとフローの低い方を採用します.

たとえば,純資産2億円,配当(ストック収入)が200万円だとすると,ストック基準ではBですが,フロー基準ではCなので,資産家ランクはCとなり,極端な例ですが,純資産10億円(ストック基準S)でも,全て現預金でストック収入が利息のみならフロー基準ではEなので,資産家ランクはEです.

この基準では,私は今資産家ランクDですが,2025年にランクCに上がりたいと思っていて,中長期では,5年以内にランクB,10年以内にランクAになれれば万々歳です.

Sになる日は…来ないかもしれません(笑)

Posted by Econ