NISAのメリットを最大限得るためには

2018年11月4日NISA

2018年も残り2ヶ月です.2018年は長期投資家にとって選択の年です.というのも,2014年から始まったNISAが,今年で5年間の非課税期間が終わるので,2014年にNISA枠で投資したものを

  1. 売却して非課税利益を得る
  2. 通常通り課税枠に移行する
  3. ロールオーバーして非課税期間を延長する

の判断をする必要があります.それぞれのケースでどうなるか,見てみましょう.

(注:以下の説明はNISA口座に関するものです.つみたてNISAとは異なりますので注意してください)

1. 売却して非課税利益を得る

これは単純です.利益が出ている銘柄を今年中に売ることができれば,売却益は非課税で100%受け取ることができます.そして,来年の投資枠も120万円がフルに使えます.注意したいのは,NISA枠で投資したものが損失が出ている場合で,この場合売却しても損益通算できません

2. 通常通り課税枠に移行する

売却もロールオーバーもしなければ,来年から通常の課税枠に移行され,配当と売却益に課税されるようになります.一つ留意点は課税口座に移した時に取得価額が更新され,取得価額は2018年12月末の時価になります.

例えば,2014年に100万円で買った株が150万円になっていれば,取得価額は150万円になります.そして2020年に200万円になったので売却をする時は,

200万円 – 150万円 = 50万円

に課税されます.本来の取得価額は100万円ですので,買った時よりも値上がりしていれば売却する時に有利になります.

ここで注意したいのは,値下がりしている場合です.例えば,2014年に100万円で買った株が80万円に下がってしまった場合,取得価額は80万円になります.そして2020年に150万円になったので売却をする時は,

150万円 – 80万円 = 70万円

に課税されます.本来の取得価額は100万円ですので,この場合は取得価額が更新されたことによって20万円に余計に税金が課されることになります.

これは極力避けなければいけないケースなので,このような時はロールオーバーして残りの5年間で値上がりを待つという戦略がいいと思います.

3. ロールオーバーして非課税期間を延長する

この場合は少し複雑です.まず,ロールオーバーするものが2019年の投資枠である120万円を超えるか越えないかで変わってきます.SBI証券のホームページにわかりやすい図があったので,それを使って説明します.

120万円を越えない金額をロールオーバーする場合

出典:SBI証券ホームページ

この場合,120万円とロールオーバーした金額との差額分だけ,2019年に非課税枠で投資をすることができます.

120万円を超える金額をロールオーバーする場合

出典:SBI証券ホームページ

この場合,120万円を越えてロールオーバーできますが,2019年に新規の非課税投資はできなくなります

ロールオーバーの申込み期限は金融機関によって違いますが,だいたい11月末から12月初めを期日にしているところが多いようです.自分が使っている金融機関の情報をよくチェッしましょう.

因みに,私は2014年にNISA枠で投資したものの半分以上を売却しました.購入時から2倍以上値上がりしていた銘柄もあったため,結構NISAメリットを享受できました.

残りの銘柄は11月始めの時点で評価益が出ています.長期保有を考えているので,おそらく課税枠へ移行させても持ち続けます.ロールオーバーの申し込み締切がされた後,まだ1ヶ月ほどあるので,その間に市場が急落,というのだけは勘弁したいです.

Posted by Econ