ジュニアNISAを使い倒す
一般NISA(以下,NISA)やつみたてNISAに比べて影の薄いジュニアNISAですが,子どもがいる家庭ならジュニアNISAをうまく使えば長期間にわたり非課税の恩恵を受けられます.「NISA,ジュニアNISAのどっちで買っても非課税は同じでしょ」と思われがちで,確かに日本株では違いはないのですが,米国株の場合は外国税額控除があるので,特に高配当株をどっちで買うかで非課税の恩恵が変わってきます.
この記事では,私が実践しているNISAとジュニアNISAの使い分けについて解説します.私はNISAとジュニアNISAを有効活用するまでに少し遠回りしてしまいましたが,米国株投資家の人はこの記事を参考に,NISAとジュニアNISAを使い倒してほしいです.
ジュニアNISAとNISAの使い分け
- NISA:(値上がりの見込める)低配当株 or 英国ADR
- ジュニアNISA:高配当株
が私の使い分けですが,このように使い分けるポイントが外国税額控除です.米国株の配当はまず米国内で10%課税されたあと,残りの90%にさらに日本国内の税金がかかる二重課税になっています.これを是正するための仕組みが外国税額控除で,確定申告をすれば税金の一部が還付されるというもので,下図がそのイメージです.
しかし,NISAで投資した分には外国税額控除は使えません.また,ユニリーバやロイヤル・ダッチ・シェルのような英国ADRは米国内で非課税なので,これにも外国税額控除は使えません.さらに,子どもはそもそも所得税を納めていないので外国税額控除は使えません.
ここから,以下が一番効率的な使い分けという結論になります.
- 高配当株はまずジュニアNISAで買う
- ジュニアNISAの枠を超えて高配当株を買う時は課税口座で買い,外国税額控除を最大化する
- NISA口座はキャピタルゲイン狙いで低配当株やグロース株にあてる.もしくは英国ADRを買って100%非課税にする
私は,NISAが始まってからしばらくはこれに気づかずにNISA口座で高配当株を買ったり,ジュニアNISAで配当利回りの高くないETFを買ったりして少し遠回りしましたが,去年からこの投資スタイルです.
制度終了後も続くジュニアNISAの強み
2020年の税制改正で,ジュニアNISAは残念ながら2023年で制度が終了することが決定しています.ただ,皮肉にも2023年に制度が終了することでかえってジュニアNISAは強みが出たと思います.例えば,従来は子どもが18歳になるまではジュニアNISAからの払い出しはできなかったのですが,制度終了に伴って2024年以降であればいつでも払い出しができるようになりました.
しかし,一番魅力的なのは,ジュニアNISAが終了しても子どもが20歳になるまでは非課税で保有し続けることができるという点です.
例えば,2019年に生まれた子どもが2019年から2023年までの5年間,ジュニアNISAをフル活用(80万円×5年=400万円)して,その400万円の配当利回りが3%だったとします.そうすると,その子は2023年時点で4歳,20歳になるまではあと16年あるので,その期間の配当は
400万円 × 3%(配当利回り)× 90%(米国内税率)× 16年 = 172.8万円
となり,これにかかる税金約35.1万円,年間約2.2万円が非課税となり結構なインパクトがあります.
今からジュニアNISAを始めた場合,残念ながらフルの400万円は使えませんが,最大240万円の枠を使えます.子どもが20歳になるまで払い出しをしないつもりであれば,ジュニアNISAで高配当株を運用を検討するのもいいと思います.
以上が,私がトライアル&エラーを通して行き着いた効率的なNISAとジュニアNISAの使い方です.この記事を読んでくれた人がNISAとジュニアNISAを使い倒して資産運用加速化の助けとなれば嬉しいです.
それでは,また.
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません