『ファスト&スロー』 心理学と行動経済学は投資家の必修科目!

どうも、Econです。

 

年末年始の休みで読書の時間が取れたので、ちょっとボリュームのある本に挑戦しました。

『ファスト&スロー』という本で、心理学と行動経済学の本ですが、投資のヒントになることもたくさん書いてある本なので、紹介します。

 


『ファスト&スロー』の概要

この本は、人間が意思決定をする際にどのように判断をしているのかについて書いた本です。

著者のダニエル・カーネマンは認知心理学者で、米国プリンストン大学の名誉教授です。

不確実な状況で人間がどのように意思決定をするかを説明する「プロスペクト理論」が有名で、その功績から心理学者にして2002年にノーベル経済学賞を受賞しています。

 

また、この本は2014年に東大生協で文庫ランキング1位を取ったこともあります。

日本の最高学府の学生が読んだ本だし、きっと得るものがあるはず!」と意気込んで読み始めました。

 


『ファスト&スロー』から学べること

『ファスト&スロー』では、人間の意思決定には多くのバイアスがかかっていて、その結果、人間は判断エラーを犯してしまうということが、いくつもの心理学の実験結果から示されています。

実験結果は「そんなバカな!?」と思うものから「あぁ、自分でもそう答えるわ」と納得してしまうものまで、多種多様で読んでていて興味深いです。

 

この記事では、投資に役立つような知識をピックアップしていきます。

 

ナンピン買いは心理的現象:サンクコストの呪縛

一般的に投資でナンピン買いはしない方がいいと言われていますが、平均取得単価を下げるため、というナンピン買いの目的以外にも、人間の心理としてナンピン買いの誘惑は強い、という厄介な傾向があります。

 

既に投資したお金は回収不能なコストであり、これをサンクコスト(埋没費用)と言います。

合理的な投資は、サンクコストに関係なく最も有望なものに資金を投じるべきですが、既に投資している案件で損失が出ているとそのような合理的な判断が難しくなります

というのも、他にもっと良い投資先があると頭では分かっていても、

「損が出ている状態でこの投資を手仕舞うと損失が確定してしまうが、それだけは絶対に避けたい。なので、将来の上昇を期待して追加投資しよう」

と、既存の投資に資金を投入しようとする心理が働いてしまい、これをサンクコストの呪縛といいます。

 

とある日本の大企業も、このサンクコストの呪縛に最近取り憑かれているんじゃないかと思います。

まぁ、私は投資していませんし、正直言って好きではない会社なので、どうなろうと知ったこっちゃないんですがね。

 

売りは買いより難しい:保有効果

人間は同じ金額の場合、利益よりも損失を嫌う傾向があります。

10,000円損して被る心理的ダメージは、10,000円得して享受できる喜びよりも大きいということです。

ここから、よい株を売る苦痛は同じくらいよい株を買う喜びよりも大きいので、人は株を売ることを躊躇します

 

私の感覚からすると、これは非常に納得がいきました。

例えば、今でも私が保有しているP&G株を例に挙げます。

P&Gの株は2020年1月4日現在、122.58ドルですが、私はこの株価ではP&G株を買おうと思いません。

では122.58ドルで売るかと言われたら、売りたくないです。

今後の配当なんかも考えると、150ドルでも売らないと思います(笑)

これは、122.58ドルから150ドルの間では私はP&G株を売りもしないし買いもしないという状況ですが、これは経済の原則である一物一価と矛盾します。

でも、これが人間の心理です。

自分にも保有効果のバイアスがかかっていると理解できましたが、やはりこのバイアスからは逃れられません。

 

確証バイアス

人間は自分の信じている仮説を裏付けようとするバイアスが働いており、これを確証バイアスと言います。

本当は客観的に評価しなければいけないことも、どうしても自分の考えに寄せて評価してしまうのです。

 

例えばあるお気に入り銘柄の分析をする時、客観的に評価しているつもりでも、分析結果が、「その銘柄はやはり素晴らしい」というふうになるような証拠を人は無意識で集めてしまいます。

 

つまり、お気に入り銘柄を「分析してみたけど、この銘柄はダメだな」とか嫌いな銘柄を「この会社、嫌いだったけど素晴らしいじゃないか」と思うようになるにはハードルが高く、好きなものは好きなまま、嫌いなものは嫌いなままになりがちということです。

 

利用可能性バイアス

人間は限られた情報で判断しようとします。

そもそも、物事を判断するのに情報を完全に集めるのは無理なので、これは人間の進化の過程でそのように判断するようになったもので、これが悪いことだとは思いません。

しかし、人間の思考にはそのような傾向があると認識しておくことは大事です。

 

例えばある銘柄に投資をする時、その投資がどれだけ素晴らしいのかというストーリーを描く場合、大事なのは情報の整合性となります。

「検討が漏れてしまっていることはないかな?」と情報の完全性を疑うことも大切なのですが、人間の脳は、利用可能な情報から辻褄が合うストーリーを組み立てようとするので、出来上がったストーリーが整合性の取れているものであれば、その考えは正しいと判断してしまいます

 

『ファスト&スロー』を読んだ後の世界

『ファスト&スロー』を読んだ後に他の人の投資ブログを読んでいると、

あーこの人、確証バイアスに陥っているなー」とか

自分がディフェンシブ銘柄好きなのは確証バイアスだよなぁ。頭では理解できるけど、抜け出すのは難しいな

というように、本に書かれている実例が多くあり、実験結果を実体験することができるので、学ぶものが多いです。

 

心理学や行動経済学の知識は投資でも役に立ちますので、この本に書かれていることを認識しておくだけでも、投資の判断ミスは減らせるかもしれません。

上下巻セットの文庫本で、2冊合わせて文字ばかりの800ページ超とかなりのボリュームですが、おすすめです。

 


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書評

Posted by Econ