【ブックレビュー】”The Psychology of Money” 20のショートストーリーで学ぶマネー哲学

2021年7月24日書評

どうも,Econです.

久しぶりにいい本に出会ったので紹介します.

“The Psychology of Money"という本です.

立ち寄った本屋でタイトルに惹かれて何気なく手に取りました.
「最近しっかりした本を読んでないから洋書でも読んでみるか」と軽い気持ちで買ったのですが,これがとてもいい本でした.

内容は20のショートストーリーでマネーに対する考え方や接し方が書かれています.
これまで似たような本は何冊か読んできましたが,この本は新しい気付きをいくつも与えてくれました.

この記事ではそのうちのいくつかを紹介していきます.
自分用ですがマインドマップでサマリーも作ってますので参考にどうぞ.

足るを知ること

「もっと儲けたい」と思うのは人間の性です.

しかし,

“Bulls Make Money, Bears Make Money, Pigs Get Slaughtered"

ブルもベアもいいがピッグ(欲張り)はダメだ

という投資の格言もあるように,欲張りすぎると投資家の身を滅ぼすということが書かれています.

この考え自体は新しいものではありませんが,幸せ = 結果 – 期待 という公式は興味深かったです.

結果は同じでも期待が低ければより幸福感を強く感じられるというもので,確かにその通りだなと思いました(もちろん,期待を持つなと言っているのではなく,欲張りすぎるなという意味です).

このチャプターを読んでいる時,京都の龍安寺にある「吾唯足知(吾唯足るを知る)」を思い出しました.

龍安寺の吾唯足知

複利は味方にするのではなく味方にし続ける

複利を味方にする,これは投資の鉄則ですが味方にするだけでは不十分で,人生において複利をずっと味方にし続けることが大事です.

面白いデータがあります.

バフェットの純資産は約845億ドルと言われていますが,そのうちの99.9%以上が60歳の誕生日以降に築かれたもので,もしバフェットが60歳の誕生日で投資を引退してゴルフに勤しむような生活を送っていたとしたらバフェットの現在の資産は1,190万ドルと今の0.01%でしかないという試算結果です.

投資をやめず,複利を60年以上味方にし続けていることがバフェットが今日の莫大な富を築けた大きな要因になっています.

このエピソードを読んで,長期投資家の未来は明るいと希望が出てきました.

他人は無視しろ

投資では他人からの情報はシャットアウトした方がいいです.

SNSには資産額を公開してマウントを取っているようなアカウントも多くありますが,そのようなものはノイズでしかありません.

お金に関しては他人との競争に終わりはないので,最初からそのような競争には参加しないのが一番です.

またオススメ銘柄についてのコメントや記事も考え方を参考にするのはいいですが,「この人が推奨しているから」という理由で買うのはNGです.

なぜなら,それを書いたり言っている人は相手がどんな人かわからずにそのようなことを書いたり言っているからです.
20代の若者と年金暮らしの高齢者,長期投資家とデイトレーダーの全員に良い株なんてないのに「この株はオススメ!」なんて言われてもそれは誰を念頭に置いた発言なんだということになります.

当たり前ですが,自分の状況や投資スタンスに照らし合わせて銘柄をピックアップしていくことが大切ですね.

失敗しても終わらない範囲でリスクを取れ

前に進むには積極的にリスクを取らなければいけません.

なら可能性があるならどんなリスクも覚悟しなければいけないのかというともちろん違って,絶対に取ってはいけないリスクがあります.

それは失敗した時にゲームオーバーになるようなリスクで,この種のリスクは仮にオッズが自分にとって有利でも避けるべきです.

1億円あげるからロシアンルーレットやらないか,と言われてやりますか?
確率的には1億円もらえる方が大きいですが,私ならやりませんし,たぶんほとんどの人もやらないと思います.

ただこれが投資になると別で,失敗した時に破滅的な結果をもたらすディールをしてしまう人が結構います.

借金してレバレッジ効かせて投資をするとか,まさにこれだなと思います.

不安や後悔はマーケットに参加するための費用

投資家なら「マーケットの価格変動が大きくて不安だ」とか「あの時この銘柄を買って(売って)いれば…」という不安や後悔を何度も経験するはずです.

そして,このようなネガティブな心理はマーケットに参加するために投資家が払わなければいけない費用です.

不安や後悔を感じたくなくて,ちょっと上がって利益が出たから売るとかマーケットが下がってきたので傷が深くなる前に売るというように売買を繰り返していたら,結局それは高くつきます.

状況を判断して売買は大事ですが,不安や後悔を避けるためにあまり頻繁にマーケットに出入りするのではなく,そのようなネガティブな心理は投資にはつきものだと悠然と構える態度が投資家には必要です.

最後に

ここでは5つ紹介しましたが,この本には他にも参考になることがたくさん書かれていました.

翻訳本は出ていないので原書を読むしかないですが,使われている英語はそんなに難しくないので英語ができる人なら英語のトレーニングにもなり一石二鳥です.

また,約250ページある本ですがそれぞれのチャプターは10ページくらいで,かつ独立しているので頭から読んでいく必要もないです.

Amazonでレビューを参考に本を探すのもいいけど,今回みたいな本との出会いがあるのが本屋の魅力ですね.
本屋の魅力,再発見でした.

それでは,また.



Posted by Econ